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2022年度第3学期始業式 高校校長訓話

あけましておめでとうございます。3学期の始業式にあたり話をします。

いよいよ新たな年の幕開けを迎えました。
昨年も新型コロナウイルスの蔓延による感染症再拡大の影響で、依然として完全には社会的な落ち着きが取り戻せていない状況であったこともあり、まだまだ制限の残る不安の消えない年末年始となった感があります。

そのような情勢が続く中ではありましたが、皆さんは充実した冬休みを過ごすことができたでしょうか?2学期の終業式でお話しした「失敗を恐れない」、「失敗こそ成功への糧となる」という前向きな気持ちを胸に新しい年を迎えることができているでしょうか?本校創立100周年の記念シンポジウムの様子が放映された1月3日のサンテレビの番組において、理事長先生が話された『やらないよりもやって失敗する方がいい』というお言葉や、学園長先生の『背中を押してくれる周囲への感謝こそが力になる』というシンポジウムでのお話は、皆さんにとって大いなる後押しになるものだと思います。加えて昨年末のTBMフォーラムにおいて、数々の先輩たちに背中を押された皆さん一人ひとりが、自分自身にとって前向きになれる振り返りを糧に、大切な「未来」をしっかりと見据えて、この3学期も明るく前向きに過ごしてくれることを期待しています。

新たな年・新たな学期の「始まり」であり、同時に学校としての一年の「締めくくり」でもあるこの期間は、始まりと終わりが同居する、まさに対極の概念が同時に意識されるような神秘的な期間であり、誰もがきっかけを得たり、成長を促される期間なのではないかと考えています。

本日はこの後TBM教育のプログラムのフルコースです。この神秘的な時期だからこそ、よりいっそう意味があるのです。だからこそ須磨学園は今日という日にTBM活動のフルコースに取り組むのです。4月に開園40周年を迎える夢と魔法の国、皆さんも研修で訪れる「ディズニーランド」の創設者であるウォルト・ディズニー氏は、『夢見ることができれば、それは実現できる』という言葉を残しています。皆さんもぜひ未来に思いを馳せて大きな夢を描いてください。この2023年という年を素晴らしい年にするために、不安定な情勢にも屈しないような果てしない夢や目標について、たくさん想像して、たくさん考えてください。そしてそれに向けた強い信念と有意義でゆるぎない計画を確立してください。人の心の広さ、高さ、深さ、温かさについてたくさん思いを馳せて、たくさん感じてください。考えたこと、感じたこと、心に決めたことをたくさん話して、しっかりと心を込めて、書き初めとして表現してください。2023年という新たな年をいかに始め、2022年度という今年度をいかに終えるのかを同時に意識する中で、「始まり」と「終わり」というそれぞれに大切な対極の概念が、根底では一つの線でつながっているということを感じてください。今日TBM活動にしっかり取り組むことで、今日考えたこと、感じたこと、定めた目標、そして今日という日そのものが、皆さんをしかるべき道へと導いてくれる道しるべとなります。須磨学園が創立100周年を迎えた2022年度という年度を力強く駆け抜け、2023年という年を飛躍の年とするための原動力を得る…今日という日が皆さんにとってそのような貴重な門出の日となることを期待しています。

さて、高校3年生の皆さんはいよいよ勝負の年の幕開けです。ここまでくればファインプレーや一攫千金をねらいたくなる気持ちや、抜け道を探したくなるような気持ちも出てくるかもしれません。しかしやはり鉄則は「凡事徹底 ― 基本の徹底」だと思います。思ってもいないラッキーを生むのも、思いがけないファインプレーを生むのも、平素の基礎の積み重ね、そして「いつも通り」の精神です。繰り返し使ってボロボロになった教材を大切にしてください。いつも共に過ごしてきた家族や仲間や先生たちの思いや言葉を大切にしてください。いつもの環境を大切にしてください。これまで続けてきた基礎の積み重ねを信じて、自信をもってアウトプットしてください。そして…どんな時でも前を向いていてください。わからない問題があった、うまくいかない教科があった、共通テストのスコアが予想水準に達しなかった… など、これから様々な苦難もあるかもしれません。しかしそれらも全て最終的な勝利に向けてのプロローグです。スポーツにおいても全時間帯でリードして勝つ試合などそうそうないはずです。1点取られた、2点取られた、チャンスで得点できなかった… いくらでも苦しい場面はあります。しかしそれらの場面はまだ負けではありません。苦しい時でも勝利の瞬間に思いを馳せて、前を向き続けてください。そのためにも、逆転劇を目指す…はじめからそのぐらいの精神で勝負に挑むのもありだと思います。勝負は1ミリの差で決するのです。このパワースポットでの「いつも通り」の精神を支えにして、その1ミリを手繰り寄せてください。心から応援しています。

最後になりますが、今年は兎年です。ひょっとするとうさぎは寂しがりで弱々しいイメージがあるかもしれません。しかし私はそれに疑問を抱いています。私は10代の時に行ったふれあい広場にて、うさぎに40分逃げられ続けたことがあります。ふれあい広場ですよ…それ以来、どこが寂しがりやねん…と思っています。しかしそんなお茶目でミステリアスなうさぎですが、我々を引きつける魅力がたくさんあります。うさぎは決して後ずさりをすることがありません。常に前進あるのみです。前足よりも後ろ足が長く、上り坂をのぼるのを得意としています。いつも前向きでよく遊ぶという無邪気な魅力があります。ぴょんぴょん跳ねるところが「飛躍」を連想させる縁起のよさの象徴でもあります。皆さんも常に前向きな気持ちで前進して、たくさん坂をのぼって、たくさん勉強して、たくさん運動して、たくさん話して、たくさん遊んで、たくさん笑って、大いなる飛躍の年にしましょう。それでは全員でまずは今日をよい日にして、そして今年をよい年にするための原動力を生み出しましょう。

2023年1月6日 高校校長 堀井 雅幸