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2022年度 2学期終業式 高校校長訓話

 おはようございます。2学期の終業式にあたり話をします。
 この2学期は、まだまだコロナウイルスの感染症拡大の懸念がぬぐわれることはなく、皆さんは引き続き感染症予防の徹底を求められる難しい日々を駆け抜けてくることになりました。季節はめまぐるしくめぐり、厳しい暑さの夏から、束の間の秋を経て、今は底冷えの冬を迎えています。

 そのような状況の中、この2学期においても、皆さんは様々な感動を生み出してきました。皆さんの強い意識と先生方のご尽力で、無事に数々の研修旅行や校外行事を実現できました。全員で素晴らしい体育祭をつくり上げ、フィナーレにおいては100周年記念の感動的な人文字プロジェクトを成功させることができました。創立100周年という偉大な節目を盛大に祝う機会として開催された記念式典では、理事長先生、学園長先生の思い入れのある式辞に感動し、副理事長先生の力強い式辞に勇気をもらい、学園に縁のある偉大な方々からの祝辞に身が引き締まり、プロのオーケストラの調べに乗せて100年にゆかりのある楽曲を満喫し、シンポジウムでは、各界の著名な方々からたくさんの未来への後押しをいただきました。先日のTBMフォーラムでは、実に48名の卒業生の方々から、なりたい自分になるための糧となるような貴重な金言をたくさんもらいました。そして何より、今年度はじめから厳しい状況が続く中で、この2学期も学びを止めることなく、厳しい局面を無事乗り切ってきた皆さん全員のこれまでの努力の数々と、それらに支えられて終業式の日を迎えている今の姿こそが、何より素晴らしい感動的な成果であると思います。

 さてここで先のTBMフォーラムにおける偉大なる先輩たちの言葉を振り返りたいと思います。彼らの言葉の中で、私が最も印象に残ったのは、昨年のフォーラムの時と同様ですが、やはり「失敗こそが飛躍のもとである」ということです。あれだけのそうそうたる講演者たちだったので、これまで何もかも成功してうまくいった人たちばかりが集まった、と皆さんは思っていたかもしれませんが、決してそうではありません。先輩たちも幾多の失敗を経験してきたのです。講演者の皆さんが一様に口にしていたのは、『失敗を悲観的に捉えて、恐れているばかりでは何も始まらない。失敗を恐れる必要はなく、むしろ思い切って失敗すればいい。何事もまずそういう気持ちで勇気をもって臨むことが大切なのだ』ということでした。『挑戦をしなければ、失敗を経験することはできず、失敗を糧にしなければ真の成功はない』ということです。『やらずに後悔するぐらいなら、やって後悔したい。その先には成功のヒントが必ず得られるから…』という言葉も聞かれました。

 今皆さんが、失敗を恐れて一歩を踏み出す勇気が持てないのであれば、失敗に打ちひしがれているのであれば、あるいは明確な「なりたい自分」がまだ見えず、何となく時を過ごしてしまっているのであれば… ぜひ先輩たちの言葉一つひとつをしっかりと振り返ってみてください。きっと皆さんの背中を改めて力強く押してくれると思います。「まずは勇気をもってやってみよう」と思えるはずです。

 まもなく新たな年の幕開けです。新たな波を引き起こすには絶好の機会です。今までやりたくても失敗を恐れてできなかったことをまずはやってみてください。今まで試すことができなかった学習方法を試してみてください。今まで踏み出すことができなかった新しい練習方法を取り入れてみてください。今までやったことのないお手伝いをしてみてください。今まで話したことのない人と話してみてください。どこか受け身だった自分がいるなら、それを思い切って変えてみてください。ほんの少しでいいのです。そのような今までにはなかったちょっとした挑戦や変化が、新たな流れ、新たな思いを生みます。そして時には失敗を生むことにもなります。しかしその経験こそが大きな成功へのかけがえのない糧となるのです。新たなことを何もしなければ、失敗も生まれないが、その先の大いなる成功も導かれることはないのです。まもなく新年を迎えるにあたり、新たな「信念」として、今の皆さんの心に留めておいてほしいと思います。

 さて高校3年生の皆さんはいよいよ勝負の年の幕開けです。何度も言ってきましたが、現役生が最も学力を伸ばすのはここからです。特に須磨学園では顕著です。これはもはや君たちの先輩が実証しています。いつも言っている通り、やはり一番強いのは「勝ちたい」という思いと「勝たせたい」という思いが融合したときです。皆さんにとって今それが結実する場所、それは須磨学園です。いつも皆を熱く導いてくれる学年の先生方を最後まで信じて、パワースポットである須磨学園を信じて、この環境を最大限活かして、最後まで全員で、力強く走り抜けてください。皆さんの健闘を心から期待しています。

 最後になりますが、今日はクリスマス・イブです。アメリカのあるジャーナリストが、クリスマスに関して次のような言葉を残しました。―『人間には3つの段階がある。― 1は「サンタクロースを信じている」という段階、2は「サンタクロースを信じなくなる」という段階、3は「自分がサンタクロースであると思える」という段階である』という言葉です。皆さんはどの段階でしょうか? そしてクリスマスプレゼントについても、あるアメリカの作家がこのような名言を残しています。―『クリスマスプレゼントのおすすめ。敵には許しを。反対者には忍耐を。友人には心を。周囲の皆には善意を。全ての子供には良い手本を。そして自分には敬意を…』という言葉です。皆さんも周囲には光を、そして自らには敬意を贈り、必ず「なりたい自分」になって、将来は、サンタクロースのように、周囲の大切な人たち、そしてさらに社会や世界を明るく照らすような存在になってください。

 それでは残りわずかとなった年末の日々で2022年のよい締めくくりをして、新たな挑戦への決意を「信念」に変えて、いい形で来たる新年を迎えてください。

2022年12月24日  堀井 雅幸