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2021年度第1学期終業式 校長訓話

 おはようございます。1学期の終業式にあたり話をします。
 今年度は昨年度に引き続き、世界的なコロナウイルスの蔓延による感染症拡大の影響がおさまらず、年度当初からその影響がいまだに社会に大きな影響を与える状況となり、本校の活動についても時差通学や学校行事の延期や方針変更など、様々な制限を残さざるを得ない状況が続きました。

 そのような大変な情勢が続き、学校生活においても様々な制約が生じる中ではありましたが、皆さんは時に強い意志をもって、時に柔軟に、この新年度をスタートしてくれたと思います。

 さて本日1学期の終業式を迎え、大きな節目とも言える時を迎えました。昨年度から繰り返してきた通り、この学期末という時期は、苦難や制約の中を果敢に歩んできた皆さんが、新たな人生のターニングポイントを得るよい機会です。来る夏期休暇期間を有効に活用して、これまでの生活を振り返り、「このような厳しい状況下においても、学びを止めずにこれだけたくさんのことを実現できた」という前向きな振り返りをしてほしいと思います。

 昨年度から今年度にかけて、非常に厳しい期間ではありましたが、我々には平素では味わうことのできないような、大いなる「経験」を得ることができました。新しい真理を追究するには過去の先行研究が元になるということと同様に、我々はこの経験を次なる新時代の糧にすることができると思います。人は過去の経験をふりかえりながら、今を大切にして未来を描くものです。そのためにも皆さんそれぞれがこのコロナ禍の苦難から目をそむけず、真摯に振り返り、場面ごとに経験できたこと、感じたこと、嬉しかったことも辛かったことも全て、しっかりと心にとどめて、学園長先生がいつも話される「今の心を信じる」と書く「信念」を育み、次なる未来の、そしてさらに先の将来における糧としてくれることを期待しています。

 昨年度3月、理事長先生が卒業生に向けて、そして全校生徒の皆さんに向けて “resilience” というお言葉を贈られました。これは元々心理学の世界の言葉で、「精神的回復力」、「逆境力」を意味しています。これから私たちがコロナ禍という逆境から精神的に立ち直り、一回りも二回りも大きくなるために、この “resilience” を育むことは非常に大切なことであると思います。

 

 この度、その“resilience” を育むために必要であると思うことを私なりに考えてみましたので皆さんにお伝えします。一つ目は「自己安定性」、つまり目先の一喜一憂に流されず、長い目でものごとを測る安定した精神状態を維持することです。この感情のコントロールは非常に重要であると思います。二つ目は「自己肯定・自尊」、つまり自分を過小評価することなく、立ちたい舞台やつかみたい栄光を、決して無理だとあきらめることなく、いつもあらかじめ栄光の場面を前向きに描く姿勢です。挑みたいことがある場合、そして何かに挑む場合には必ずつかみとる場面をイメージしてからその準備の一歩目を歩み始めてください。最後三つ目は「自己楽観性」、つまり「頑張っていればいつか何とかなるだろう」という前向きで楽観的な明るさを大切にしてほしいということです。

 

 ぜひこの三点を大切に、皆さん一人ひとりが大切なそれぞれの “resilience” を育み、未来の困難にも果敢に立ち向かう逆境力を育んでくれることを期待しています。

 そして高校3年生の皆さん、いよいよ大切な勝負の夏を迎えました。須磨学園の先生方を信じてしっかりついていって下さい。いつも言っていますが皆さんを勝たせるのはパワースポット須磨学園です。この場所をフル活用して、心から勝ちたいと願う君たちと、心から勝たせたいと願う先生方で最高のウェーブを起こしてください。後に振り返ったときに「やはりあの夏がすべての原動力だった」と思えるような、皆さんが将来「原点」と振り返ることのできるような夏期休暇期間を過ごしてくれることを心から期待しています。将来の「勝」を目指して力強く頑張ってください。朝ご飯を必ず食べて朝型の生活を心がけてください。

 最後になりますが、皆さん、自分のことは自分でする、自分のことは自分で守ることを徹底してください。まだまだ社会情勢は予断を許さない状況です。熱中症対策も待ったなしの気候が続いています。全ての基本は皆さんが元気にいることです。大切な自分の体調管理を、他の人任せにしないでください。この夏期休暇期間についても、自分の体調に常に気をつけて、感染症対策や熱中症対策を片時もおろそかにすることなく、とにかく危険な行動を慎み、その上で明るく前向きな生活を送ってください。それでは皆さんが自覚をもってそれぞれよい夏期休暇を過ごしてくれることを心から期待しています。

2021年7月24日 高校校長 堀井 雅幸