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2020年度第3学期終業式 高校校長訓話

 おはようございます。3学期の終業式にあたり話をします。
 今年度は世界的なコロナウィルスの蔓延による感染症拡大の影響で、年度当初からこれまで我々誰もが経験したこともないような大変な門出となり、年が明けてもその状況はとどまることはなく、感染症拡大の影響がいまだに社会に大きな影響を与える状況となっています。

 そのような大変な情勢が続き、学校生活においても様々な制約が生じる中ではありましたが、皆さんは時に強い意志をもって、時に柔軟に、この一年を切り抜けてくれたと思います。

 さて本日3学期の終業式を迎え、学校としての一年の締めくくりを迎えました。苦難や制約の中を果敢に歩んできた皆さんが、この2020年度という時間を人生のターニングポイントにするチャンスです。学校にとっての年末年始の期間を有効に活用してこれまでの生活を振り返り、「このような厳しい状況下においてもこれだけたくさんのことを実現できた」という前向きな振り返りをしてほしいと思います。皆さんは須磨学園の『学びを止めない』の方針のもと、立派にコロナ禍の中においても学習を重ねてきました。様々に制限された中でも、素晴らしい体育祭を実現できました。国内研修旅行に行って素晴らしい経験をすることができました。研修先は変更となりましたがスキー実習も実現できました。冬のエンパワーメントプログラムに加えて今回春のプログラムも実施予定です。学年の先生方の工夫と尽力によって様々な特別企画が生まれた学年もありました。加えてたくさんの部活動における素晴らしい成果も耳にしています。そしてこの3月には皆さんの先輩である高校3年生が無事に立派な姿で卒業しました。厳しい大学入試にも果敢にチャレンジを果たし、自らの力で立派に進路を切り開いて巣立っていきました。

 厳しい一年ではありましたが、我々には平素では味わうことのできないような、大いなる「経験」を得ることができました。新しい真理を追究するには過去の先行研究が礎となることと同様に、我々はこの経験を次なる新時代の糧にすることができると思います。そのためにも皆さんそれぞれがこの一年を真摯に振り返り、場面ごとに経験できたこと、感じたこと、嬉しかったことも辛かったことも全て、しっかりと心にとどめて、次なる一年の、そしてさらに先の未来における糧としてくれることを期待しています。

 人は全く経験していないことを想像するのは難しく、未知なるものを描くイマジネーションにおいても、それまでの自分自身、ともすれば他の誰かの経験をもとにして、まだ見ぬ世界に思いをはせるものです。過去をふりかえりながら未来を描くものです。言い換えれば、「既知」の概念と「未知」の概念という一見対極のものがやはり根底でつながりをもつということに他なりません。人は思い描くことができることは全て実現できます。逆に思い描くことができないようなことは実現できません。皆さん、ぜひこの新しい年を迎える時期に当たり、自らのまだ見ぬ大切な未来のことをしっかりと思い描く努力をしてください。皆さんの夢や目標を具体的に話してください。書いてください。描いてください。積極的に表現してください。そのためにこれまでの経験を振り返ることを怠らないでください。

 理事長先生が卒業生に贈られた言葉…私たちの “resilience” (-これは回復力を意味しています。) そして学園長先生がいつもお話される「夢に日付を入れる」というお言葉… これらが新年度を迎える皆さんのあるべき姿勢を示してくれています。

 我々の “resilience” を信じて真摯に経験を振り返り、素直な気持ちで思い描きながら日付をいれた皆さんの「夢」は必ず実現できます。さあ力強く新時代を切り開いてください。心から期待しています。

2021年3月23日  堀井 雅幸