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2023年度第1学期始業式 高校校長訓話

 おはようございます。1学期の始業式にあたり話をします。

 昨年度は須磨学園にとって大いなる節目である創立100周年を迎えた年でした。記念式典・記念コンサートや記念シンポジウム、そしてTBMフォーラムなど、様々な記念行事も無事に終了し、須磨学園にとっての大いなる節目を全員で盛大に祝うことができたことは、何にも勝る喜びでした。

 そのような素晴らしい節目の機会を経て、いよいよ本日、学校としての正月、新たな年度の幕開けの日を迎えました。社会に目を向けてみると、社会はこれまで我々を苦しめたコロナ感染症によるネガティブな影響からの脱却を目指して、様々な場面でコロナ前の水準まで、ともすれば新たな教訓を得て、それ以上の領域にまで、歩を進めようとしています。須磨学園にとっては、これまでの100年の歴史に敬意を払い、次なる100年に向けての大いなる一歩を踏み出す時です。皆さん一人ひとりにとっても、新たな年度、新たな物語を紡ぎ始める大いなる節目が、今日という始業式の日なのです。

 先月の終業式でもお話ししましたが、今後の成長や飛躍を果たすには、これまでの成功体験だけではなく、むしろうまくいかなかった失敗体験に向き合い、そこから多くを学ぶ必要があります。失敗を糧に成長できたかどうかが本当に大切であり、「負けたことがある」ということがむしろ今後の勝負に向けて大きく強みになることがあるということを改めて強調しておきたいと思います。まさしく今日のような始業式の日は、その思いを新たにする絶好の機会です。今年度も思い切ってたくさん失敗してください。そのためにたくさんチャレンジしてください。チャレンジをしないと失敗できません。そのために目標を立ててください。目標がないと有意義なチャレンジはできません。そのためにたくさん考えて、たくさん向き合ってください。たくさん考えて向き合わないと目標はいつまでも明確にはなりません。

 最もまずいのは、目標が高すぎて失敗することではなく、目標が低すぎて失敗をしないことであると思います。悩みや苦しみがあっていいのです。それだけ反省して向き合っている証拠です。悩みや苦しみこそ成長、そして未来の成功に向けての過程であると思います。皆さんには、この丘の上のパワースポットで過ごす限られた時間の中で、たくさん考えて、たくさん目標を描いて、たくさんチャレンジして、たくさん失敗して、たくさん悩んで、それに向き合って、そこから未来への糧となる原動力を産み出してほしいと願っています。それが皆さんの真の成長につながるものであると確信しています。

 以前も皆さんに紹介したことがありますので改めてとなりますが、フランスの作家マルセル・プルーストが残した、『発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。』という言葉のとおり、何か新しい発見をするためには、黙って待っているだけではいけません。まず自分が変わろうとする決意や行動が必要なのだということです。まさに、自分を変えていこう、「今」を変えていこうという前向きな変化を志す上で、新たな出発となる今日という日に、新たな目と新たな見方を養うべく、未来のこと、今のこと、そして過去のこと…、様々なことを見つめなおしてください。新たにチャレンジし、挑み、失敗する意義のあることは、皆さんの周りに、すぐそばに、たくさん溢れていると思います。
 このはるかなる海を見渡す丘の上で、新しい学年で、新しいクラスで、見るものすべてを素晴らしい感動に変えていくような『新たな目』を通して、自らの“to be myself,…”を後押しする『新しいものの見方・感じ方』を養って、たくさん決意して、たくさん挑んで、たくさん失敗して、その分たくさん成長して、まだ見ぬ未来において、たくさんの笑顔の花を咲かせてください。昨日は去り、明日はまだ来ていないのです。ならば私たちが動くのは今日あるのみです。まずは今日という門出の日をよい日にしましょう。

 新高校3年生の皆さんはいよいよ勝負の年の幕開けです。皆さんを見ていて思うのですが、全体的にいい挨拶ができる人が多いように思います。挨拶は人として生きていくうえで、他者と共存・協働していくうえで、そして大いなる成果を求めるうえで、本当に大切な原点の一つだと思います。これから最上級生として、平素の生活でも、学校行事でも、後輩たちの模範であってください。そして「勝ちたい」という思いと「勝たせたい」という思いが融合するパワースポット須磨学園で、いつもみんなを熱く導いてくれる先生方を最後まで信じて、最後まで全員で、受験生として、最上級生として、誇りをもって最後の一年を悔いなく力強く走り抜けてください。

 最後に全学年の皆さんに強調しておきますが、人と出会ったとき、大切なことが始まるとき、大切なことを終えるとき、何かを決意したとき、ありがたいと思うとき、申し訳ないと思うとき…、そういう時にしっかりと表現できる人であってください。気持ちのよい挨拶や素直なコミュニケーションを大切にしてください。今年度は節目における学園歌斉唱も復活しますが、そういう場面でしっかりと歌うことができる人であってください。パワースポット須磨学園の力の源の一つは、そのような皆さん一人ひとりの表現なのです。それでは、明日の入学式を経て、それぞれ「先輩」となる皆さんの今年度の健闘を心から期待しています。

2023年4月7日 高校校長  堀井 雅幸