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2023年度高校入学式 理事長 式辞

 たった今、入学を許可された共学25期生229名、ならびに中高一貫17期生147名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 保護者の皆様、ご子息ご息女のご入学をお慶び申し上げます。これからの3年間の高校生活において、ご家庭のご理解とご協力なくして学校教育は成立いたしません。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ご来賓の皆様方、本日はご多用中にもかかわらず、ご臨席を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。これから生徒たちを見守り、激励していって下さることをお願い申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、ようこそ須磨学園へ。9年間の義務教育を終えられて高校生になられた皆さん、皆さんの中学校3年間の生活はコロナ禍での生活でした。大人も子どもも皆が答えのない、正解のない問題に対して対応してきました。どのように向き合っていくのかということが問われてきた3年間でした。そして誰もが正解を知りませんでした。

 須磨学園の私たちは、「学びを止めない」ということを目標と掲げて、良いと思われることはとにかくすべてやろうという思いで実践してまいりました。そして、学んだことは行動することの難しさです。私たちが学んだことは、自分たちの頭で答えのない問いにどのように答え、どのように実践していくかということです。基礎的な知識がどれほど大切だったか、科学的な根拠に基づいて適切な対応をすることがどれほど重要であるか、思考停止に陥ってフリーズすることの危険性を知りました。そしてまた、風評に惑わされて右往左往することの情けなさを痛感いたしました。それだけではなく、人のために献身的に働く人たちに支えられてきたことにも勇気づけられました。その中で一番大切だと痛感したことは、私たちは一人では何もできないということを知ったことです。そして、助け合うということ、人との関係性がいかに重要なものであるかということを私たちは学んだと思います。

 そんな3年間の中で皆さんも学び続け、そして受験を乗り越えて入学していらっしゃいました。素晴らしいことだと思います。私は皆さんのこの健闘を讃えたいと思います。そして、これからの3年間は回復の時期です。制限のある中学生活を送ってきた皆さんに、ぜひとも高校生活を謳歌していただきたいと思います。仲間との関係、先輩との関係、過去の友人たちとの関係、そして我々教職員との関係、その関係をマスクのない生活の中で育てていただきたい。
 そして、この3年間は皆さんが次のステップに進まれる準備の期間であると考えております。必要なことは、とにかく色んなことを見てみる、やってみる、つまり経験してみることだと思います。失敗を恐れることなく、努力を積み重ねることを厭わず、色んなことに果敢にチャレンジをしていただきたいと思います。失敗することは若者の特権です。心が震えるような素晴らしい経験を、皆さんにはぜひともしていただきたい。

 皆さんが今見ておられる世界は広い世界かもしれませんが、もう少し高く登るともう少し広い世界が見えてきます。より高く登るとより広い世界が見えます。これから「to be myself,…」を実践しようと考えておられる皆さんが登られる山は高い山かもしれませんが、高いだけでなく険しい山かもしれません。その山を一人で登るのではなく、皆で登っていきましょう。私たちも皆さんと共にその山を登ってまいります。そして3年後にどんな景色が見えるのか、今とても楽しみに思っています。

 では、スタートいたしましょう。

2023年4月8日 理事長  西 泰子