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2023年度高校入学式 高校校長 式辞

 昨日までの雨とは打って変わり、本日は皆さんを祝福するかのごとく晴れ渡った空模様となりました。新入生の皆さん、須磨学園へのご入学誠におめでとうございます。教職員一同、心より皆さんを歓迎します。

 保護者の皆様、ご子息・ご息女のご入学、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。今後の須磨学園の教育活動におきまして、皆様から多大なるご理解・ご支援を賜りますことを、この場をお借りいたしまして、お願い申し上げます。

 さて、義務教育を終え、これから新たに、はるかなる海を見渡すこの丘の上で、晴れて高校生活をスタートさせる新入生の皆さんに贈りたい言葉があります。それは、『清く・正しく・たくましく』という言葉です。これは須磨学園の建学の精神であり、私が個人的にすごく好きな言葉です。皆さんには須磨学園生としての誇りを持ち、清く・正しく・たくましい人に成長してくれることを願っています。

 『清く』 生きていく人であるために、他者への思いやりや感謝の心、そして素直に感動する心をしっかりと育んでください。当たり前のことですが、人は一人だけでは絶対に生きてはいけません。この世の誰もが、誰かに支えられ、誰かを支えて生きています。そのことを決して当たり前だと思うことなく、共に生きる人たちに常に感謝と思いやりの気持ちをもつことの大切さを絶対に忘れないで下さい。そしていかなる場面においても、ありがたいことはありがたい、申し訳ないことは申し訳ないと素直に思い、素直に表現する心、そして素晴らしいものは素晴らしいと素直に感動することができる感性を育んでくれることを期待しています。

 『正しく』 生きていく人であるために、「考える」ことから逃げないで下さい。あらゆる場面において、自身のあるべき姿、正しい姿勢とはいかなるものであるのかについて、真摯に向き合って考えてください。自らが物事にどのような姿勢で臨むべきか、それぞれの場面においていかなる言動をするべきか、ということについて常にしっかりと考える習慣を育んでください。あらゆる場面において考えることを真摯に繰り返していくと、喜びと悲しみ、楽しさと苦しさといった一見対極にあると思われるような概念が、決して対のものではなく、根底では一体であるという思いに至るのではないかと考えています。真の喜びや楽しみは、悲しみや苦しみに耐えた先にこそ見えてくるものであると思います。上辺の喜びや楽しみだけを追求するのではなく、苦難の先にある真の喜び、真の楽しみを見据えて、あらゆる場面で考えることから逃げないでください。ものごとを表面的に、かつ文字通りにとらえるだけではなく、苦難を乗り越えた先にある「なりたい自分」に思いを馳せて、何事にも対極の概念を大切にして、悔いなく考えて臨むように心がけてください。

 『たくましく』 生きていく人であるために、いかなる勝負においても、絶対に「勝つ」ことをあきらめない人であってほしいと思います。これから皆さんは幾多の勝負に挑むことになります。挑むと決めたならば、その勝負に「負けても仕方がない…」、「胸を借りるつもりで…」、「いい勝負ができれば…」 などの消極的な姿勢で臨むべきではありません。どの機会もたった一度の人生における大切な勝負です。どんなに厳しい状況であっても「勝つ」ためにどうあるべきか、何ができるかを徹底的に追求してください。そのような強い信念で勝負に挑んだ者こそが、意義のある「負け」、未来につながる「失敗」を経験することができて、勝負における勝ち負けを超えた本当の「価値」を見出すことができるのだと確信しています。むしろたくさん失敗をしてよいと思います。目標が高くて失敗するのはよいのです。長い目で見れば目標が低すぎて失敗しないことの方がまずいと思います。高い目標に向けてたくさんチャレンジしてください。先ほどの対極の話ともつながりますが、その数多くのチャレンジを通した失敗こそが、皆さんにとって未来の勝利に向けた大いなる糧となるものであると思います。

 須磨学園の玄関横に、建学の精神『清く・正しく・たくましく』という言葉が刻まれた校祖の像があります。須磨学園が創立100周年を迎えた昨年度の記念事業の一環として、現在の場所に移設されました。ぜひ今日の帰りにその言葉を目と心に焼きつけて、今日の門出の日の思いを胸に刻んでおいてください。私たちは、将来皆さんが、清く・正しく・たくましい人として、「なりたい自分」になって、社会や世界で大いに躍動する日を楽しみに、この高校生活においてその礎をつくることができるよう、様々な機会を通して全力で皆さんを支えていくことをここに誓います。それでは3年間どうぞよろしくお願いします。

2023年4月8日 高校校長  堀井 雅幸