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2023年度中学入学式 学園長 式辞

 須磨学園中学校へご入学おめでとうございます。

 今日、この山の上に上がってきて、遠くが見えたでしょう。関空は見えましたか。なぜ遠くが見えたのか、それは高いところに上がってきたからです。諸君らはこれから中学校、高校の時代に身長がどんどん伸びます。背が高くなる、目の位置が高くなると、遠くがどんどん見えます。距離的な遠くだけではなくて、大人になっていくプロセスで時間的な未来も見えてきます。

 そこで、皆さんにお願いがあります。それぞれの人が、それぞれの人の違った希望、目標、夢というものを持っていると思うのです。医者になりたい、弁護士になりたい、東京大学に行きたい、京都大学に行きたい、大阪大学に行きたい、いろんな夢があります。私は今年67歳になりました。諸君らよりも50年以上長い時間を生きてきました。夢を持つなら、大きな夢を持ってほしい。

 決して皆さん方を脅すつもりはありませんが、自分の持った夢以上のことは未来に絶対起こりません。京大に進学したいと思っている人が、棚から参考書は落ちてくるかもしれないけれど、棚からぼた餅が落ちてきて、東大に合格できるか、それは無理です。夢を超える現実はないということです。だから皆さんに言いたい、夢を持つならできるだけ大きな、なるべく大きな夢を持ってほしい。

 しかし、いきなり大きすぎる夢を持てるのかというとできません。なぜなのか。友達は笑うかもしれません。先生は笑いませんが、「君、そんな大きな夢で大丈夫か」という人もいるかもしれない。須磨学園の教員は君たちが何を言っても「そうなんだ」と言って、水をかけるようなことはしません。そして、学期ごと、月ごとにPM・TMという発想法の授業がありますけども、そのときに修正をしていってほしいです。自分の夢を自分の実力に基づいて修正してほしいです。気がついたら、6年後の卒業式のときに全員東京大学に進学できていると私は思うのです。自分が自分で魔法をかけて、目の前の入れそうな簡単な選択に陥っていないかということを、皆さんに気づいてほしいのです。

 夢より大きな現実は起きない。だから夢を少しずつ修正して、少しずつ大きな夢にしてください。私は保証します。夢は必ず実現します。夢を実現する第一歩は、夢に日付を入れることです。夢に日付が入ると、夢はその瞬間から夢にならなくて、名前を変えます。目標という名前に夢が変わります。その目標に向かって、これからの6年間、一歩一歩進んでいってくれたらいいなと思っています。諸君らがこの学校を卒業するとき、全員東京大学に入るときに、私は73歳です。元気で6年後にここで皆さんと一緒に大学合格のお祝いと、卒業のお祝いができることが私の今の時点での夢です。しかしそれは今日、目標になりました。
 話を終わります。

            

2023年4月8日 学園長  西 和彦