SUMA GAKUEN
学校法人
須磨学園
  • HOME
  • 2023年度 中学校卒業式 学園長 式辞

2023年度 中学校卒業式 学園長 式辞

 理事長が大人について話をしましたので、私も同じテーマでいきたいと思います。
 高校生になったらどうなるか、 18歳になったら法律が定める大人になるわけですね。だけど、法律が定める大人になる前に、高校時代のどこかで諸君らは大人になります。

 今の諸君らは、大人かといったら、いや、自分はきちんと大人だという人もいると思いますけれども、私が考える大人とは何かということをお話したいと思います。

 大人とは何か、大人とは「自我に目覚めている」ということです。自分は何者なのか、自分は何のために生まれてきたのか、自分はこれから何をしようとしているのか、自我の自覚、これを持っているかどうかが、子どもと大人の違いだと私は思います。
 諸君らが、自分はどうして生まれてきて、何のためにここに存在しているのかをはっきり意識する日が、これからの須磨学園高等学校での高校時代のある日に突然やってくると思うのです。その日のことをもって、子どもから大人に変わる日だと思います。
18歳になって法律的に大人になっても、まだその日が来ていない人がいたとしても、それはそれでいいではないですか。
 実は私は、自分の自我に目覚めたのは高校時代ではありませんでした。高校を卒業して、浪人して、大学に進学して、それからの時代でした。だけど、それはそれでいいと思います。

 大人という自我に目覚めた後に、何の目覚めが来るのか、それも一歩早いですけれどもお話したいと思います。
 私の意見は、自我に目覚める日の次に来るのは、神に目覚める日だと思います。神っていうと、宗教っぽく感じるかもしれませんが、私が言いたい神に目覚める時というのは、この宇宙すべてを支配している法則の集合体のことです。諸君らが学校で学ぶ、物理の法則、化学の法則、生物の法則、地学の法則、天文の法則、経済原理、政治の法則、そういういろいろなもの。諸君らがどうあがいても、一人では絶対にどうすることもできないこの世の中のルール。その集合体が、私にとっての神です。
 それが存在している、自分がどう頑張っても、これは太刀打ちできないというものが世の中に存在しているということを感じた時に、果てしない絶望感と果てしないそれを敬う気持ちがでてきます。
 このことは、自分が何者なのかということを意識した人にのみ、感じることができるわけです。
 まずは、自分の持って生まれた使命。親から、神から与えられたそれぞれが持って生まれた使命、それを感じるようになってくれたら、こんなにうれしいことはありません。

 いい高校時代になるように心から願っています。祈っています。今日は卒業、おめでとう。

2024年3月16日 学園長 西 和彦