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2022年度 中学校卒業式 学園長 式辞

 17期生の諸君、卒業おめでとうございます。

 私の今日の話は、まずクイズから始めます。 「人生に誕生日が4つあると言われております。その4つの誕生日とは何でしょう?」

 最初は皆さんが生まれた時だと思います。最後は皆さんが死ぬ時だと思います。その2つは普通に考えてもわかるでしょう。真ん中の2つは何かということなのです。ちょっと考えてもらえますか。

 生まれた時、何の時、何の時、死ぬ時。時々こういう質問を皆さんにすると、皆さんが言うのは結婚した時、それから子供が生まれた時。子供がたくさん生まれたら誕生日も5つになって6つになって7つになるのでしょうか。

 私は、2つ目の誕生日は自分に目覚めた時だと思います。先ほど理事長が大人になるということを諸君らにお話をしました。自分に目覚めた時。自分って何なのだろう。自分はどうして生まれてきたのだろう。自分は何のために生まれてきたのだろうか。こういったことをふと考える日がもう皆さんには来ているかもしれませんけど、私は高校時代にそれが来ると思うのです。自分って何なのだろうなと考えた時、その時が大人になった時です。自分が何かという意識を持つということが大人になる時だと私は思います。

 3つ目の誕生日。これは自分がこの世の中に生きている、でも自分にはどうすることもできない大きなものがある。太陽が東から昇る、西から太陽を昇らせることができるのか、これは無理です。台風が来ると、「台風来るな」と言えるのか、言えません。物理の法則、化学の法則、生物の法則、地学の法則、社会の取り決め、この世の中には山ほど自分がどんなにあがいてもどうすることもできない大きな力、大きな意志というものが存在しています。そういうものを全部足し算したもの、私はそれを神様と言ってもいいかもしれないと思います。これに気がついた時、自分にはどうしようもない運命、自分にはどうしようもないことが起こるかもしれない。でもそういうことを我々はどうすることもできない訳です。それを意識した時が、3回目の誕生日ではないかと思うのです。それを大人になる前に意識することができたら、それはすごいと思います。しかし、やはり大人になってからある日そういう意識を持つようになるのではないかと思います。

 今日、中学を卒業して、高校に入って、高校時代のいつかどこかの時に、諸君らは自分に目覚めて大人になる。私はその大人になると諸君らが決心する日、その日を楽しみに待ちたいと思います。そして今から3年後にこの体育館で高校の卒業式を無事に迎えることができるように祈りまして、私のお祝いのお話とさせていただきます。本当に今日はおめでとう。とても嬉しいです。以上です。

2023年3月18日 学園長 西 和彦