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2022年度 中学卒業式 学年部長 挨拶

 学年を代表してご挨拶申し上げます。S1学年の皆さん、そして保護者の皆様、須磨学園中学校卒業おめでとうございます。
 卒業生徒代表の矢成君の言葉にもありました通り、我々は3年前コロナ禍の中出発しました。会議室からZOOMで行った入学式を昨日のように思い出します。私個人の感慨としては、この3年間のコロナ禍には、さまざまな新しい取り組みができた有意義な側面も大いにあったように感じています。九州、四国、北海道に2回と、4回も「海外」研修を行い、九州以外は今までの須磨学園生が訪れたことのない土地を訪れることができました。それぞれの土地で名産品を手作りすることができたのも大変良い思い出となっています。
 ただ、中学3年間が過ぎようとしている今日、感じているのは、少し抽象的になりますが、これからコロナ禍がおさまったとしても、元あった状態に戻るのはなかなか難しいのではないかということです。元に戻すという姿勢ではなく、全く新しいものを築きあげる気概こそが今後最も大事なことなのではないかと思っています。
 従来の生活を送っていた生徒と比べて、流動的なスケジュールで日々を過ごさなければいけなかった17期生の皆さんの3年間に最も足りていないのは良い意味でのルーティーンの確立だと思っています。生活習慣や学習習慣。しっかりとしたルーティーンを早期に身につけることを意識して高校生活を送ってほしいと切に思います。そして、願わくは、それを容易にしてくれる平穏な日々が戻ってくれればと祈っています。
 緊急事態宣言下での行事や旅行の延期、反面、蔓延防止等重点措置下での実施、どう計画してもリスク自体は否めなかったベトナム研修旅行。実費を徴収させていただいて行う今般の学習合宿。学年の取り組みにいつもご賛同、ご理解いただき快く生徒を送り出してくださった保護者の皆様の協力なしには、この3年間はなかったと思っています。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。
 中学1年生の時は本当に体力面での心配をしましたが、体力面ではとても成長し、安心して見ていられるようになりました。大学受験では、足が速い必要も、速い球が投げられる必要もありませんが、基礎体力は絶対に必要です。その意味で先日のウインターキャンプでは派遣看護師の方に「今まで参加した学校旅行で最も楽をさせてもらった」とお褒めの言葉をいただき、大変うれしく思いました。
 中学生は勉強一辺倒というより、さまざまな経験をして器を作る期間だと考えています。その器に水を注いでいく(学力を身につけていく)のは高校生からで十分だと思います。逆に言えば、現時点で成績がどんなに良くてもアドバンテージは無に等しいと思っておいた方が良いでしょう。その意味では、17期生の皆さんはいい器を持つことができたのでは、と思っています。
 保護者の皆様方、今後とも変わらぬご支援ご助力を賜ることができましたら何よりの幸いに存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
 この春休みに17期生の皆さんにしていただきたいことは中学入学時の「初心」を取り戻すことです。皆さんは須磨学園に入って「こういう生活がしたい」「こういう生徒になりたい」というそれぞれの理想を抱いて入学してきたはずですが、今、皆さんにもう一度どういう高校生になりたいですかと質問をしても、言葉に詰まるようになっている人も多いのではないでしょうか。
 十数日後、須磨学園高校に入学する際には、もう一度、高校生活の「夢」や「希望」、「理想」を語れるような皆さんであってほしいと思います。
 そのために最も必要なのは「リフレッシュ」だと思います。皆さんは今まで日本に生きた中学生の誰よりもストレスにさらされる生活を送ってきました。そしてそれがどれくらいしんどいものだったのかは大人の私たちからは分かりません。休息が必要な人は休息を、少し羽根を伸ばすことが必要な人は思い切ってそのことを、この春休みにはしてもらいたいと思っています。ですから、この夏に高野山で学園長先生から言っていただいたこととも重なるのですが、今回の春休み、2冊のスタディーチャージ以外の宿題はできなければ提出しなくても構いません。十分に体と心を休めて4月に臨んでください。
 以上、簡単ではございますが私からのご挨拶とさせていただきます。

2023年3月18日 S1学年部長 尾崎 雅博