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2022年度第1学期終業式 校長訓話

 おはようございます。1学期の終業式にあたり話をします。
 これまでの2年のコロナ禍を乗り越えて、今年度はここまで一定の警戒を継続しながらも、できる限りの通常活動を行ってきました。先月は保護者を含め来校いただく方の人数を制限しながらも、全員で無事熱気ある文化祭を実現しました。合宿や校外学習なども無事実施、または今後夏期休暇期間において実施予定となっています。短期留学のプログラムも復活を予定しています。

 しかし社会情勢を見ると、またしてもコロナ感染症の拡大が顕著となり、その勢いが過去を上回るほどのものとなっています。取り戻しつつあった日常が、またしても制限や中止という波にのまれてしまうのかという危機に瀕していると言っても過言ではありません。引き続き警戒を緩めることなく、我々の大切な日常を全員で守っていくという気概を持ってこれからの日々を過ごしてくれることを期待しています。

 さて、皆さんは今学期の始業式でお話ししたことを覚えていますでしょうか。未来をよりよい方向に変えていくには、「今」を変えていかなければならない、変えたいことがあるならば、変わりたいと思うならば、自分自身の「今」に向き合わなければならない、という話をしました。フランスの作家マルセル・プルースト氏が残した名言も紹介しました。『発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ』という言葉です。皆さんはこの1学期に新たな目で自分を見つめることができたでしょうか。何事も黙って待っているだけではなく、何か新しい発見をするために、まず自分が変わろうとする決意や行動をとることができたでしょうか。ぜひそのような自身の決意や行動の根幹を振り返り、思いを新たにする有意義な夏休みを過ごしてほしいと思います。

 今日は皆さんの背中を押してくれる名言三連発です。響くものがあれば、ぜひこの夏の後押しとして覚えておいてください。まずは有名なアメリカの発明家トーマス・エジソン氏の名言です。『私は決して失望などしない。なぜならどんな失敗も新たな一歩となるからである』という言葉です。皆さんぜひ失敗を恐れず今を変えるためのチャレンジを積極的にやってみてください。続いて、イギリスの政治家でノーベル文学賞も受賞したウィンストン・チャーチル氏の名言です。『凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である。風に流されている時ではない』という言葉です。人も同じだと思います。時代や周囲に流されている時ではなく、果敢に困難なことに挑戦している時にこそ成長と成果を見い出すことができるのだと思います。そして最後は、皆さんも知っていると思いますが有名な作品『不思議の国のアリス』の著者であるイギリスの作家ルイス・キャロル氏の名言です。『どんなことにも教訓があるものである。大切なことはあなたがそれを見つけられるかどうかである』という言葉です。これは先ほどのマルセル・プルースト氏の『新しい目で見ることが大切…』という話と重なる観点だと思いますが、いかに苦難であっても、失敗を経験しようとも、そこに正面から向き合い、教訓と糧を得ようとする姿勢が大切なのだということだと思います。

 これらの名言からも感じられるように、一人ひとりの未来を形づくる、そして変えていくための未知なる場所への扉の鍵は、未知なる場所やどこか遠いところにあるのではなく、待っていれば自然に風が運んできてくれるものでもなく、「今」の自分自身が作ることができるかどうか、少なくとも作ろうという努力をできるかどうかにかかっているのです。つまり人は、「今」の心の持ちようによって、いくらでも発見と成長を見い出し、大切な「未来」をよい方向に変えていくことができるのだと思います。ぜひこの夏休みをそんな発見と成長のきっかけともなる期間になるように、様々なことに果敢にチャレンジしてください。期待しています。

 さて三年生の皆さんは、受験対策も部活動もいよいよ最後の夏、勝負の夏を迎えます。学年集会でも言いましたが、強くなるために不可欠なことは、「勝ちたいという思い」と「勝たせたい思い」を結集させることです。皆さんにとってそれらが結集する最強の環境は、このパワースポット須磨学園です。暑い夏を吹き飛ばす「勝ちたいという思い」をもって、熱い先生方と悔いのない飛躍の夏を過ごし、未来の栄冠を目指してそれぞれの大切な「今の自分」に向き合ってください。応援どころか、思い切り背中を押します。頑張ってください。

 それでは充実の夏を過ごし、全員で元気に前向きに2学期を迎える日を楽しみにしています。

2022年7月23日 高校校長 堀井 雅幸