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2021年度 高校入学式 高校校長 式辞

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、心より皆さんを歓迎いたします。満開となった桜のもと、今日ここで皆さんとお会いできたこと、本当にうれしく思います。

 保護者の皆様、ご子息・ご息女のご入学、おめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。今後の須磨学園の教育活動におきまして、皆様から多大なるご理解・ご支援を賜りますことを、この場をお借りいたしまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、義務教育を終え、これから新たにこのはるかなる海を見渡す丘の上で、晴れて高校生活をスタートさせる新入生の皆さんに贈りたい言葉があります。それは、『清く・正しく・たくましく』という精神です。この言葉は、須磨学園の建学の精神であり、私が個人的にすごく好きな言葉です。皆さんには須磨学園生としての誇りを持ち、清く・正しく・たくましい人に成長してほしいと期待しています。

 『清く』生きていく人であるために、他者への思いやりや感謝の心、そして感動する力をしっかりと育んでください。当り前のことですが、人は一人だけでは絶対に生きてはいけません。この世の誰もが、誰かに支えられ、誰かを支えて生きています。そのことを決して当たり前だと思うことなく、感謝の気持ちを持って、共に生きる人たちに思いやりの気持ちを持つことの大切さを絶対に忘れないで下さい。そしていかなる場面においても、ありがたいことはありがたい、素晴らしいものは素晴らしいと素直に感動することのできる感性を育んでくれることを期待しています。

 『正しく』生きていく人であるために、考えることから逃げないで下さい。物事に自らがどのような姿勢で臨むべきか、それぞれの場面においていかなる言動をするべきか、ということについて常にしっかりと考える習慣を育んでください。自身が素直に感じたことを大切にして、考えることを真摯に繰り返していくと、喜びと悲しみ、楽しさと苦しさのような一見対極にあると思われるような概念が、決して対のものではなく、根底では一体となっていることに行き着くのではないかと考えています。悲しみに向き合い、それを乗り越えた先に真の喜びがあり、苦しみに打ち勝った先に真の楽しみが待っていて… それでも油断をするとすぐに別の悲しみやさらに大きな苦しみが降りかかることもあり… そのような繰り返しの中を生きることを考えると、一見対極の概念を対のものとして表面的に、かつ文字通りにとらえているだけでは苦難を乗り越える力は身につけることができないのかもしれません。

 『たくましく』生きていく人であるために、いかなる勝負においても、絶対に「勝つ」ことをあきらめない人であってほしいと思います。これから皆さんは幾多の勝負に挑むことになります。その勝負に「負けても仕方ない…」、「胸を借りるつもりで…」、「いい勝負ができれば…」、などの消極的な姿勢で臨んではいけません。どの機会もたった1度しかない人生における大切な勝負です。どんなに厳しい状況でも「勝つ」ためにどうあるべきか、何ができるかを徹底的に追求してください。そのような強い信念で勝負に挑んだ者こそが、勝負における勝ち負けを超えた本当の「価値」を見出すことができるのだと確信しています。

 須磨学園の校門から校舎までの坂道に、建学の精神『清く・正しく・たくましく』が刻まれた校祖の像があります。 ぜひ今日の帰りにその言葉を目に焼き付け、今日の門出の日の思いを胸に刻んでおいてください。
 私たちは、将来君たちが、『清く・正しく・たくましい』人として、なりたい自分になり、社会や世界に大きな貢献を果たしてくれる日を楽しみに、その土台となるこの高校生活において、全力で君たちを支えていくことをここに誓います。 3年間どうぞよろしくお願いします。

2021年4月3日 高校校長  堀井 雅幸