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2021年度 中学校卒業式 理事長 式辞

 須磨学園中学校16期生のみなさん、ご卒業、おめでとうございます。

 3年間のうちの2年間がコロナ禍での中学校生活でした。
 制限のある中での活動でしたが、みなさんは活き活きと学習に行事に部活動に研修にがんばって取り組んでこられました。私たちはそれをとても誇りに思っています。よく頑張られました。入学当初はまだ小さく、真新しい制服に身を包んでやってらっしゃいましたけれども、この3年間で心身ともに大きく強く成長されたことをとてもうれしく思っています。みなさんのお父さんやお母さん、ご家族の方々もこの日を喜びとともに迎えておられることと思います。おめでとう。

 さて、中高一貫の卒業式です。たぶん、ほとんどのみなさんはこれからの3年間も一緒に過ごされる中で、今日のこの式は何のためにするのか、と思っていらっしゃるかもしれません。
 今日のこの日は、区切りの日です。みなさんは義務教育を終えられました。義務教育を終え、そして子供からの区切りの日でもあります。この日に何をしていただきたいか。まず、みなさんのご両親に感謝をしていただきたい。そしてその次に、決意をしていただきたい。何に対しての決意かというと、これからのみなさんの人生、将来のことに対しての「こうありたいという自分になる」という強い決意をお願いしたいと思います。

 なぜ決意が必要なのでしょうか。それは、これからの人生が簡単ではないからです。これから先、五年先、十年先、二十年先、三十年先の世の中がどうなっているのか実際のところはわかりません。まだ生まれていない仕事が出てくるかもしれません。まだ発明されていない技術、まだ予測されていない社会問題が出てくる世の中です。なぜなら、コロナがいつ終わるかさえ、私たちにはわかっていないのですから。先のことは誰にもわからない世の中になっていくのではないでしょうか。今までもそうでしたけれども、これからますます変化のスピードは速くなっていきます。
 そんな中でみなさんがこれから学ばれることがら、何が必要になっていくのか、どういう知識が必要なのか、どういうスキルが必要なのか。みなさんはもしかしたら、まだわかっていないかもしれません。 どうすればよいのか。自分は何になるのか、何を目指すのか。これはもしかしたら正解がないのかもしれない。
 何を決意するのか。それはみなさんがお決めになることです。人から言われたからこの仕事に就く。もしかしたら、その仕事はなくなっているかもしれません。私が子供の時、世の中の小学生、中学生、高校生の8割くらいがそろばんをやっていました。そろばんができないときちんとした仕事に就けない、という話を聞いたことがあります。字がうまく書くことができないとちゃんとした仕事ができない、とそういうふうにも言われていた時代でした。それから50年たった今、どうなったか。右脳と左脳の活性化のためにそろばんを使っている人はいます。アートの一つとして、国語の授業で書道がありますが、コンピュータの時代になってしまいました。そろばんも、書道も必須のおけいこ事ではなくなりました。そのように時代とともに必要とされる能力、求められる力が変わってきています。

 みなさん、これから3年間の間でしっかりと自分自身の頭で考えて、自分は何をするのか、自分は何をしたいのか、そして自分は社会にどういう貢献をしていくのか、そのために何を学ぶのかということをいろいろな知識、情報を求めて、いろいろな人から意見を聞いて、いろいろなところに行って、自分の目で見て、考えて決めてください。決まったら簡単です。あとは実行するだけです。実行するときに大きな困難であったり、つらさであったり、大変なことが待ち受けているかもしれません。しかし、そんなことは大丈夫だと思っています。みなさんはそれを乗り切る、一緒に乗り切っていく仲間がいます。そして、みなさんをサポートする、導いていく学年の先生、須磨学園の教員がいます。ご両親もいらっしゃいます。みなさんは一人ではありません。こうありたいと思う自分になるということを、そしてその道は簡単な道ではないということを、でも自分はやっていくという決意を、今日していただければと思います。必要なのは、体力と気力、知性、たくましい理性、そして周りの人です。みなさんのこれからのますますの健闘を応援しています。今日は卒業本当におめでとう。これからもどうぞよろしく。

2022年3月19日 理事長 西 泰子