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2020年度卒業証書授与式 学園長 式辞

 卒業生の皆さん、保護者、御家族の皆様、須磨学園高等学校ご卒業おめでとうございます。皆さんは中学に入学してから6年、高校に入学してから3年、勉学を果たし、今日、ここに無事に卒業式を迎えることができました。このことを、学校法人須磨学園の関係者全員で喜び、感謝したいと思います。
 「人生に4つの誕生日があるといわれています。その4つとは何でしょう?」ちょっと考えてみてほしいです。
 最初の誕生日は自分が生まれた時です。2つ目と3つ目と4つ目は何かを考えてほしい。
 大体の人は4つ目の誕生日は死ぬ時といいます。2つ目と3つ目は色んな答えを言う人がいます。就職した時、結婚した時、子どもが生まれた時、…色んなことを言います。
 思うに、2つ目の誕生日は、自分とは誰なのだろうという自己に目覚めたときではないでしょうか。中学生のうちに、自己に目覚めた方もいらっしゃると思います。でも、ほとんどの人は高校大学時代に自己に目覚めるといわれています。2つ目の誕生日は、自分の人間としての目覚めをする日です。
 3つ目の誕生日は、神に目覚めたときだと思います。須磨学園は政治的中立、宗教的中立をずっと言ってきています。ここで申し上げている神様は、キリスト教の神様でも、仏教の神様でも、神道の神様でもありません。
 この地球、この宇宙、全てのものを支配している法則があります。諸君らが学校で学んできた物理の世界、化学の世界、生物の世界、地学の世界、天文の世界、そういう科目で習う世界の法則、それらを全部総合した、いわば宇宙のルールが、言葉を変えれば神様だといえるのではないでしょうか。私はこの考えを皆さんに押し付けるつもりは毛頭ありません。でも、この世の中に自分の意思ではどうにもならないことがたくさんあります。我々がどんなに太陽が西から昇ったらいいと思ったって、西から昇らない。太陽の動きを止めることも出来ない。この世の中には、どうしようと思ってもどうにもならないことがあることを意識したときが、人間としての神の目覚めではないかと思います。これからの人生のどこかで、自己の存在の自覚と覚醒、宇宙の法則の自覚と悟り、そういったことを諸君らに期待したいと思います。
 人は、生まれてきたときに一人ひとり使命を背負ってきているといわれています。色んな職業があって、高校の次に大学にいって、大学を卒業するときに職業を選びます。職業に貴いも賤しいも高いも安いも無いといいますが、その通りです。仕事を通して、諸君らは自分が背負ってきた責任というものを社会に果たさなければなりません。それは、家庭に対しての責任かもしれない。会社に対しての責任でもあるかもしれない、地域に対しての責任、国に対する責任、また地球に対する責任かもしれない。そういう色んなところに仕事を通して責任を果たしていく、役割を果たしていくことを意識してほしいと思います。そしてそれは、自分の仕事を何にするかという選択につながります。なりたい自分は何なのかということを考え続けた人にしかその実現はできません。自分が背負っているという責任を見つける努力を日々怠らないで過ごしてほしいと強く、強く、強く諸君らに願います。
 須磨学園の我々は、これからもずっとずっとずっと君たちの味方だということを、忘れないでほしいと思います。 困ったことがあったら、卒業アルバムを開いて思い出してみてください。いつでもSOSのメールをしてください。 この丘の上に人生相談に帰ってきてください。 お金には限りがあるけれど、知恵はいくらでも貸せます。 我々はいつ何時でも、何事でも、皆さんの味方です。 僕は喜んで諸君らの身元引受人になります。 だから、今日の日は「さよなら」の日ではなく、「いってらっしゃい」の日です。私は、皆さんが3年間、6年間無事で、今日、ここに卒業式を迎えることができたことを、もう一度、心から感謝したいと思います。 そして、皆さん、おめでとうございます。皆さん一人一人の人生における夢の実現を願い、皆さん一人ひとりの幸せを心から祈っています。
 さあ、元気で、広い世界にいってらっしゃい!!

2021年3月6日 学園長 西 和彦