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2019年度 中学校卒業式 理事長 式辞

 皆さん、ご卒業おめでとうございます。と言っても、大多数の人達は須磨学園高等学校に進学される中、今日の卒業式の意味は何でしょうか。今日は皆さんにとって区切りの時だということを申し上げたい。義務教育が終わる時です。そして、子どもである皆さんがこれから大人となる準備をする時期だと思います。

 皆さん、今まではやらされる学びをしてきた人が少なからずいらっしゃると思います。これからは、皆さんが自ら掴みに行く学びを実践していただきたい。
 子どもの特徴というのは何でしょう。まず思い浮かぶことは、駄々をこねること。自分の思い通りにならないときに駄々をこねる人、いませんか。子どもは往々にしてわがままで無責任で、自分の思い通りにならないと駄々をこねる、というイメージが持たれています。皆さん、自分の中でそのようなところがないか振り返ってください。では、どうすれば大人に近づけるのでしょうか。何をもって大人といわれるのでしょう。私を含めて、大人と呼ばれる教員の中でも、子どものまま大人になった人間が少なからずいます。思い通りにならないときに、我慢ができない、すぐ怒ってしまう、自分のことしか考えられない、人のことを思いやれない、そして、自分の言ったことややったことに責任が持てない。そういう大人は少なからずいます。皆さんは大人になる準備をする大事な大事な時間をこれから過ごしていきます。どうか、自分の言ったことに責任を持つ大人になってほしいと思います。「お父さんと約束をします」、「お母さんと約束します」、やると言ったからにはやりましょうね。その努力は大切なものだと思います。

 大人になるには、「決意」をしないとなれません。何となく時が過ぎて大人になっていったということはあまりありません。皆さんの体や年齢は大人になるかもしれませんが、皆さんの人格や心は決意をしないと大人になることは難しいと思います。ですから、これからは、大人になる準備について、「何かを決めて実行する」、「何から実践してやろう」、ということをこの機会に考えてください。
 今日の卒業式は、新型コロナウイルス肺炎の拡大防止によってこのような形になってしまいました。これから皆さんが過ごしていく世の中は、何が正解か分からないことが起こります。学校も一斉休校の要請を受けて、どのように対応するのか模索してきました。まだ正解は分かりません。そのような問題を前にして、皆さんは自分の頭で考えて、自分はどうするのか、自分で決めていくことが課題となっています。正解のない答え、自分の頭で考えて出す答えは、たとえ後で間違っていたと分かったとしても、意味のある試みだと思います。人から与えられた正解でなく、自分で考えることも合わせて皆さんに期待します。

 それでは、義務教育が終わった皆さん。自分自身でなりたい自分を目指して、大人に近づくために、今日から何をしようか考えてください。卒業おめでとう。

2020年3月14日 理事長 西 泰子