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2018年度芸術鑑賞会 学園長挨拶

 96周年の記念すべき日に一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

 今日は、イタリアの音楽が大きなテーマです。そこで、イタリアの国旗と日本の国旗を掲げています。イタリアは、ヨーロッパで一番進んだ国ではないかと私は思います。古くはローマ帝国が発祥した地でありますし、イタリアのほとんど全ての出来事はヨーロッパそのものだと思うからです。昔のイタリアは都市国家でした。それが一つになってイタリアという国に生まれ変わったわけです。また、イタリアのクレモナという町はバイオリンを発明しました。たくさんのバイオリンの音はイタリアから生まれたわけです。

 コンサートのパンフレットの最後のページに、創立記念コンサートの歴史が書いてあります。私が申し上げたいことは、未来は今を頑張れば作ることができる。過去はどうしようもないというふうに思わないでください。私は、過去も変えることができると思います。須磨学園の歴史は、常に過去の須磨学園をどう変えていくかというチャレンジの連続でした。未来が変わっていく方向性を示すことで、その方向性をゆり戻したところに新しい過去が存在するのではないかと思うのです。

 皆さんもご存知のとおり、須磨学園は来年の4月から新しい中学校と高等学校を始めます。須磨学園夙川高等学校・中学校です。「湊川にあるのに、なんで夙川なのですか」と何回も聞かれました。なぜ須磨学園が夙川高等学校・中学校を運営するのかという、そのきっかけについてお話します。私は、須磨学園で入学試験の発表を長年見てきました。諸君らも見に来たかもしれませんし、インターネットで見たかもしれません。中学入試は、約3分の2の人が落ちます。見に来た人は泣いてお帰りになる。私はそれを見るのが本当に辛くて辛くて仕方なかった。しかし、入学定員は増やすことができません。我々に与えられた方法は1つしかありません。中学校と高校をもう1つ作るという選択肢しか、泣いている人を救う道はないと思ったわけです。もちろん、夙川も受験校としての方向性を持ってこれから新しく取り組んでいきます。では、どうして夙川という名前にしたのか。私が学校は誰のものか考えたときに、新しい学校の名前には夙川を入れないといけないと思ったからです。教職員や理事会など色々な関係者がおりますが、私は、学校の本当の所有者は卒業生だと思っています。自分が育った学校の名前が無くなるということは、あってはいけないことだと思います。だから、新しい学校は何万人もの卒業生を出した夙川という名前を引き続き背負って、新しい時代に進んでいくことにしました。湊川だけど夙川、この名前に皆さん是非賛成してほしいと思います。

 さあ今日は、古くて新しいイタリアの音楽、聴いていただけれれば西洋音楽の根っこの部分がこの時期の音楽にあると思います。ぜひお楽しみください。

2018年11月1日 学園長 西 和彦