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2018年度 高校卒業式 校長 式辞

 本日、ここに卒業される420名のみなさん、須磨学園高等学校卒業おめでとうございます。ご多忙の中ご臨席賜ったご来賓、在校生、そして教職員一同とともに、みなさんのご卒業を心より祝福したいと思います。
 保護者の皆様、ご子息・ご息女のご卒業、心よりお祝い申し上げます。本日を迎えるまでのご苦労に敬意を表し、本校教育に対する深いご理解と多大なるご支援・ご協力に感謝申し上げます。

 さて、卒業生のみなさん、みなさんは入学以来「なりたい自分」になるための歩みを進めてきました。その歩みは明日以降も続いていきますが、気を配ってほしいことが2つあります。いずれも身近なことです。

  1つめは「本を読む」ということです。先日机の上に図書委員会が作成した「四面書架」という冊子が置いてありました。そこには高3を担当した先生たちや図書委員の推薦図書とその理由が載っていました。それを読むと先生たちや図書委員は少なからずその本から影響を受けていることを読み取ることができました。もしかしたら1冊の本で生き方まで変わった人もいるかもしれません。素晴らしい本との出会いは人生を豊かにします。
 そこで改めて「本を読む」ということを考えてみました。読書に関する格言や名言はとても多い。そして読書は人間だけに与えられた特権です。そのように考えると「本を読む」ことはとても大切なことであると再認識しました。
 みなさんはこれからそれぞれの専門分野に進みますから専門書をたくさん読みますが、自分の専門以外の本にも目を向けましょう。読書の幅を広げてみてください。意外な発見があるかもしれません。それが「本を読む」ことの醍醐味の一つだと思います。ぜひ読書に勤しんでください。

  2つめは「他者の話をよく聴く」ということです。本校での生活をふり返ってみてください。授業中だけでなく、文化祭などの行事のとき、いろいろな意見が出ませんでしたか。人の話を聞いていると、「なるほど、そういうことか」、「そんな考え方もあるのか」と感心した経験はありませんか。これはどういうことでしょう。そうです。他者の話に「謙虚」に耳を傾けるとたくさんのことを学ぶことができるということです。みなさんはこれからもたくさんの人と関わっていきます。その関わりの中で、ぜひ謙虚になって他者の話に耳を傾けてください。新たな発見がたくさんあると思います。

 少し話は変わります。最近、これからの時代に求められるのは、0から1を生み出す創造力であるということをよく聞きます。その通りだと思いますが、全く何も無いところから新たなものを生み出すのはとても難しい。新たな創造は、これまで無関係だと思われていたことに接点や結びつきを見出したり、当然と思われていたことを疑ってみることから始まると私は考えています。そういった小さな気づきを求めて書物から、人から謙虚に学び続けてください。そうすればきっと「なりたい自分」に近づくことができるでしょう。
 さあ、明日からは新たな生活が始まります。いや始まるのではなく「始める」のです。

 みなさんのこれからの人生が実り多いものとなることを祈念して私からのお祝いの言葉といたします。

2019年3月2日 校長 土屋 博文