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2018年度 中学校卒業式 理事長 式辞

 須磨学園中学校13期生123名の皆さん、中学校をご卒業おめでとうございます。この3年間を振り返ると、皆さんは本当に様々な事を学び、経験されて、大きく成長されました。皆さんのご家族は、心身ともに立派に成長された皆さんの姿を見て心から喜んでおられると思います。私達も皆さんの成長をとても嬉しく思います。

 さて、今日のこの卒業式、私はこれを1つの区切りだと思います。今まで切れ目無く続いてきた須磨学園での生活において、S1学年からS2学年になることを、皆さんは自然なことと受け止めているかもしれません。でも、今日は特別な日です。まず、今日で義務教育が終了します。そして、願わくば、皆さんが子供から大人になる日であってほしいと思っています。
 子供と大人の違いはどこにあるのでしょうか。私が子供だと思う人がどういう人かというと、例えば物事が自分の思い通りにならないとき、実は世の中の多くのことは、自分の思い通りにならないのですが、そのときに駄々をこねたり、わがままを言ったりする。そして、自分の思い通りにならないことを相手のせいにする。自分に足りないことがあったことを反省しない。他人に迷惑をかけても謝らない。でも、本人は悪気がなく全く気づいていない。そういう人が子供だと思います。程度の差はあっても、皆さんに多少は思い当たることがあるのではないでしょうか。私を含めて、実は大人の中にもそういう人が少なからずいます。反省をしないまま、振り返らないまま生きてきた人は、子供のまま大人になってしまいます。それはとても恥ずかしくて情けないことですが、当の本人はそのことに気づいてなかったりします。わがままは1度や2度なら許されることもあります。皆さんのわがままは周囲から許されてきたことがほとんどです。しかし、3度目、4度目、5度目のわがままを重ねた人に申し上げたい。そろそろわがままを言わずに、自分がやらなかったこと、自分がやってしまったこと、自分が言わなかったこと、自分が言ってしまったことに責任を持ってください。責任を持つということはどういうことかというと、自分のしたことを他人のせいにしないで、自分のやったことと受け止めて逃げないことです。例え、その問題を解決することができなくても、何がいけなかったのか考えて行動することだと思います。感情的な反応をすることではなく、理性的な解決策を探っていきましょう。自分はどのようにすればいいのか、どのようにすればいいのか、どのようにすべきなのか、それを幼い自分に問う、大人の自分を育ててください。皆さんにはそういうたくましい理性を獲得してほしいと思います。
 他人とトラブルがあったときに、感情のおもむくままに怒ったり泣いたりするのではなく、相手の立場にたって想像力を働かせてください。これはイマジネーションの問題です。相手がどう思うのか、どうしてほしいと思っているのか、そして、相手とあなたにとって、どうすることがよりよい解決のあり方なのか、考えていただきたいと思います。考えた後で、次に何をするか。その考えたことを相手にぶつけることが、私は一番いい方法だと考えています。相手が受け止めてくれなかったらどうするか。自分の考えたことを周囲の大人に聞いてみてください。先生、ご両親、先輩に聞いてみてください。自分はこう考えますが間違っていますか、正しいですか、とぶつけてください。周りの大人は皆さんが求める答えを持っていないかもしれません。でも、皆さんが考えて答えを出すことに意味があると思います。教科書に書いてあったことでなく、人から教えてもらったことでもなく、自分自身の英知を総動員して出した答えこそが自分の答えであり、自分自身がスタートするところだと思います。私は自分自身から始めるという言い方をしていますが、もしその答えが間違っていたらどうするか。簡単です修正すればいいのです。反省して改めて、自分のあり方を軌道修正する。そうすることを繰り返すことで、今まで分からなかった1つ1つの事柄が腑に落ちていくと思います。私はこれから皆さんにそういう学びを期待しています。皆さんの更なる成長を願って、これからも応援しています。

 ご卒業おめでとうございます。

2019年3月16日 理事長 西 泰子