SUMA GAKUEN
学校法人
須磨学園
  • HOME
  • 2017年度高校入学式 理事長 式辞

2017年度高校入学式 理事長 式辞

 霞がかかった空模様ですが、校庭の桜は今日の日を祝うかのように咲き誇っています。たった今入学を許可された須磨学園高等学校共学19期生、並びに中高一貫11期生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私達は皆さんのご入学を心待ちにしていました。これからの3年間どうぞよろしくお願いいたします。保護者の皆様。これからの3年間、私どもは子どもさんの指導に全力を尽くしてまいります。保護者の皆様のご理解・ご協力なくては須磨学園の教育は成立いたしません。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 新入生の皆さん。これからの高校生活に期待と希望を胸にふくらませて入学してこられたことと思います。最初に申し上げたいことは、これからの須磨学園の3年間は皆さんが次の段階に進まれる準備の段階であるということです。3年もあると思われるか、3年しかないと思われるかはそれぞれでしょうが、限られた時間です。皆さんの可能性は無限に広がっていると思うのですが、皆さんのこの学校での時間は3年間という有限の時間です。ですから、もし、皆さん一人ひとりが抱いておられるそれぞれの目標が高い目標であり、そして日々の努力なくしては達成できないとするならば、どうぞ今、決意をしてください。目標を達成するための努力をするという決意をすることは、早ければ早いほど良いと思います。志や目標は高ければ高いほどやりがいがあります。もちろん着実に足元を固めていくことは必要ですが、高い目標なくしてするべき努力は具体的には見えてこないと思います。なんとなく過ごす3年間では、自分が掲げた目標を達成することは難しいと思います。

 須磨学園の学びのテーマは自己実現です。「なりたい自分になる。そして, ・・・」をスローガンに掲げています。こうありたい自分になるということは、自分自身がお決めになることです。そしてもう1つ。なりたい自分になることは、自分だけで完結することではありません。こうありたい自分は、どのように自分以外の人と関わっていくのか、社会の中で自分はどのような位置を占めるのか、立場をとっていくのか、どういう役割を果たしていくのか、それについても考えてほしいとも思います。
 須磨学園が皆さんに期待する学びのあり方は主体的な学びです。やらされるのではない、自ら進んで学ぶ学びです。与えられるだけではなく、自分から掴みに行く姿勢を期待しています。

 3年後、ほとんどの人が大学の入学試験をお受けになられますが、実はその翌年、大学入試制度のあり方が大きく変わります。何が変わるかというと、大学入試で問われる力が変わります。机に向かう学び、知識の定着と吸収、知識を使うことだけでなく、さらに深い学びの力が問われます。正解の無い問をどのようなアプローチで考えていくのか、目標に向かって自分はどのようなプロセスで実践していくのか、という実践する力も問われます。それだけでなく皆さんが学ぶ姿勢も問われます。
 この大きな改革はなぜ行われるかというと、世の中の変化とともに、社会で必要とされる人のあり方が変わってきたからです。例えば英語ですが、かつては英語の読み書きができればよかった。これは私の世代です。皆さんのご両親の世代では、読み書きだけでは足りない、リスニングの力も要るということで、リスニングの力も問われました。皆さんが大学の試験を受けるときには、さらにスピーキングの力も求められます。社会や時代の変化とともに、このように問われる力も変わってくるものだと知っておいてほしいと思います。

 今、皆さんの目の前に広がっている世界は広く、そしてこれから皆さんが登っていかれようとする山は高く、頂上に続く道は険しいかもしれません。その山道をみんなで登っていきましょう。より高く登れば、より広い世界が見えてきます。そして、より遠くまで世界が見えます。卒業を迎えられる頃の皆さんに、どのような景色が見えているのか楽しみにしています。

 それでは、張り切ってスタートしていきましょう。

2017年4月8日 理事長 西 泰子