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2017年度高校入学式 学園長 式辞

 須磨学園高等学校にご入学おめでとうございます。入学の日のご挨拶をさせていただきます。

 まず諸君らに質問をしたいと思います。30年前に聞いた話ですが、あまりに強烈なインパクトを受けたため覚えている話です。
 質問です。「人生に4つの誕生日があるといわれています。その4つは何でしょう?」
ちょっと考えてみてほしいです。最初の誕生日は全員が正解します。自分が生まれた時です。2つ目と3つ目と4つ目は何か考えてほしい。
 考えている最中にお話を続けて恐縮ですが、大体の人は4つ目の誕生日は死ぬ時といいます。
 2つ目と3つ目は色んな答えを言う人がいる。子どもが生まれた時、結婚した時、就職した時・・色んなことを言います。私も実はその時にそんな答えを思ったことがありました。

 2つ目の誕生日は、自分とは何なんだろう、自分とは誰なのだろうという自己に目覚めたときです。中学生のうちに、自己に目覚めた方もいらっしゃると思う。でも、ほとんどの人は高校時代に自己に目覚めるといわれています。須磨学園高等学校に在学中のある日、自分が人間としての目覚めをされることを期待しています。

 では、3つ目の誕生日は何か。それは、神に目覚めたときです。須磨学園は政治的中立、宗教的中立をずっと言ってきています。ここで申し上げている神様は、キリスト教の神様でも、仏教の神様でも、神道の神様でもありません。この地球、この宇宙、全てのものを支配している法則があります。諸君らがこれから学ぶ物理の世界、化学の世界、生物の世界、地学の世界、天文の世界、そういう科目で習う世界の法則、それらを全部総合した宇宙のルールが、言葉を変えれば神様だといえるのではないでしょうか。私はこれを皆さんに押し付けるつもりは毛頭ありません。でも、この世の中に自分の意思ではどうにもならないことがあります。我々がどんなに太陽が西から上がったらいいと思ったって、西から上がらない。太陽を止めることも出来ない。この世の中には、どうしようと思ってもどうにもならないことがあることを意識したときが、人間として神の目覚めではないかと思います。高校時代のどこかで、これから自己の自覚、宇宙の法則の自覚、そういったことを諸君らに期待したいと思います。

 人は、生まれてきたときに一人ひとり使命を背負ってきているといわれています。色んな職業があって、高校の次に大学にいって、大学を卒業するときに職業を選ぶ。職業に良いも悪いも高いも低いも無いといいますが、その通りです。仕事を通して、諸君らは自分が背負ってきた責任というものを社会に果たさなければなりません。それは、家庭に対しての責任かもしれない。会社に対しての責任でもあるかもしれない、地域に対しての責任、国に対する責任、また地球に対する責任かもしれない。そういう色んなところに仕事を通して責任を果たしていく、役割を果たしていくことを意識してほしい。それは、自分の仕事を何にするかという選択につながります。なりたい自分は何なのかということを考え続けた人にしか実現はできません。だから、自分の学力でいける大学に入ろうとか、時給940円のアルバイトを一生続けようとか絶対に考えないでほしい。自分が背負ってきた責任ということを見つける努力を日々怠らないで過ごしてほしいと強く、強く、強く諸君らに願います。

2017年4月8日 学園長 西 和彦