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2017年度 高校卒業式 理事長 式辞

 この冬は数十年ぶりという寒波が到来し、皆さんが今まで経験なさったことのない厳しく長く寒い冬でした。春の訪れをはるか遠くに感じていたのですが、昨日、校庭の白梅が2輪3輪と咲いているのを見て、知らないうちに春が近くまで来ていることを感じました。
 この良き日に、須磨学園創立第94回目の卒業式が挙行されるにあたり、一言お礼を申し上げます。ご臨席を賜りましたご来賓の皆様、本校生の門出の日をともにお祝いくださることに厚く御礼を申し上げます。保護者の皆様、ご子息ご息女のご卒業を心よりお祝い申し上げます。また、長年にわたる本校へのご理解とご協力に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。保護者の皆様のお力がなければ、本校の教育は成り立ちませんでした。

 さて、たった今卒業証書を授与された共学17期生、一貫9期生の384名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの門出を心よりお祝い申し上げます。皆さんは今日、学校を背にして新しい世界に出ていきます。今までの春は、この校庭で桜が咲くのを見ながら迎え過ごした春でしたが、今年の春はそれぞれの人がそれぞれの場所で迎えるそれぞれの春です。この3年間、あっという間に過ぎた気もしますが、振り返ってみると実に様々なことがありました。その1つ1つの出来事が皆さんの記憶に刻まれ、良いことも悪いこともこれから先、皆さんの中に長い間残っていくことでしょう。嬉しかったことや楽しかったことだけでなく、つらかったこと、悲しかったこと、色んなことがあったと思います。様々な思いと風景が頭の中をかけめぐっていることでしょう。10代の経験と思い出が、どれほどかけがえのないものになるのか、皆さんはずっと先にお分かりになると思います。皆さんは、この3年間、あるいは6年間、ひたむきに頑張ってこられました。私は皆さんを誇りに思います。そういうと、「自分はそんなに頑張っていない、さぼってしまった」という人もいるかもしれません。でも、少なくとも皆さんは、毎日、この坂道と階段を登り、PMTMも毎週書きました。私を含めて須磨学園の大人がどれだけそのことを率先してやれているでしょうか。それだけでもすばらしいことだと思います。これから長い長い人生を歩んでいく皆さんに申し上げたいことがあります。

 それは、失敗、ミスを恐れないでやりたいことに挑戦をするということです。人間は完璧ではありません。だからミスをします。失敗をします。大切なことは、失敗から学ぶことです。ミスをなぜしたのか反省することです。そこから学ぶことです。2度目の失敗をしないようにする、同じミスを繰り返さないようにするということです。そして、失敗したことで、もし迷惑をかけた人たちがいるのなら謝ることです。誠心誠意謝ること、これも大切なことです。失敗を認めない、ミスを認めない、他人のせいにする、そういう人は大人になっても山ほどいます。そして、ミスや失敗を認めない人は、自分はどこで間違ったのか、なぜ自分は上手くいかなかったのか、それが分からない。
 失敗をしたら叱られると思う人はいませんか、社会に出ると責任をとらされるかも知れません。でも、それはまだ少し先のことです。失敗をしたから叱られるのではありません。失敗を認めず、反省をしないで、迷惑をかけた人に謝らないから叱られる。そういう人は2度目、3度目の失敗をすることになります。だから皆さんがもし失敗をしたときは、もしミスをしたときは、素直に失敗やミスを認め反省をし、謝るべき場合は謝り、感謝すべき人には感謝をし、次回に向けた準備をすることが大切だと思います。失敗をしたくないという理由で物事に挑戦することを諦めないようにしてください。実際にやってみなければ、結果が分からない事のほうが多いものです。誰もがなしえなかったことをなしえた人の中には、誰もが挑戦してこなかったことに挑み、それを最初になしえた人もいたのではないかと思います。社会に出る前の失敗は、若者の大いなる特権です。皆さんがこれからもなりたい自分になるために、こうありたい自分になるために、いろんなことに果敢にチャレンジして欲しいと思います。

 皆さんのこれからのご活躍とご健闘を祈念して私の話としたいと思います。体に気をつけてどうぞお元気で。

2018年3月3日 理事長 西 泰子