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2016年度 高校卒業式 学園長 式辞

 卒業生の皆さん、保護者、御家族の皆様、須磨学園高等学校ご卒業おめでとうございます。皆さんは中学に入学してから6年、高校に入学してから3年、勉学を果たし、今日、ここに無事に卒業式を迎えることができました。 このことを、学校法人須磨学園の関係者全員で喜び、感謝したいと思います。
 今日は、折に触れ皆さんにお話してきたことの中から、改めて大切だと考えることを取り上げて、私の話とさせて頂きます。

 尖がっているだけでなく、社会性というか人間性というか、頭の良さだけでなく、新しい評価基準が加えられてきているのが、世界の動きになりそうです。とりあえず、諸君らが大学を卒業して、就職するときに、成績だけでなく、「人間性」が問われます。だから、大学では、勉強だけでなく、社会性を持った活動に取り組んでください。 単位を取って、ソツなく卒業するではダメです。
 須磨学園では理科系に進学する人が多いです。理科系に進学する人は、ぜひ、大学院まで行って、修士を取ってください。学歴を付けるというよりも、 これからの社会でなお一層必要とされることは「専門性」であるからです。お金がないからといって大学院進学をあきらめないでください。
 人間性と専門性が大切だと言いましたが、もう一つ大切なことがあります。それは「国際性」です。国際性があるということは英語が話せるということではありません。 世界にはいろいろな国があって、そこに住むいろいろな人たちは、育った文化や習慣、宗教などが異なっています。 そういう違った人たちと一緒に生きていくために持たなければならない能力が「国際性」です。
 人間性、専門性、国際性。この3つのことを大切にしてください。

 皆さんはアルバイトしたことはないと思います。働いて、お金をもらう。こんな素晴らしいことはありません。大学を卒業したら就職して働くことになります。会社や学校や役所に行って、朝から晩まで仕事をする。もちろん土曜日と日曜日は休みです。月末には給料をもらいます。そして、もらったお金を使う。当然です。楽しい。しかし、皆さん、こういう生活ではなく、あと二つ、してほしいことがあります。
 一つ目は、お金のためでない仕事をするということです。弁護士の人がいる。一時間で10万円の報酬がもらえる。とても素晴らしいことです。でも、それだけでなく、困っている人のために無料で法律相談に乗てほしい。医師の人がいる。困っている人のためにただで診療する。そうです、自分の専門を使って社会に奉仕するという時間を、週に数時間でいいから諸君らの人生にいれてほしいのです。
 二つ目は、自分が稼いだお金を使って遊ぶだけでなく、お金を使って学ぶということをしてください。セミナーに行く、習い事に行く、大学院に行く、などなど学ぶ機会は無限にあります。お金を稼ぐための仕事、自分の専門を生かした無償の仕事、お金を使った遊び、お金を使った学び。この4つのことを日々されたら、間違いなく諸君らの人生は豊かなものになるでしょう。

 パソコンやスマホとインターネットで世界中の人たちが知識を共有することができる時代になりました。21世紀はこれまでのどんな時代より科学と技術が進歩する時代になってきています。私は自分の専門分野であっても進歩の速さに驚いています。アメリカやヨーロッパ、中国のやっていることは早すぎる。凄すぎる。眩しすぎる。そんな世の中で大切になるのはそういう進歩を受け入れる一人一人の精神性です。進んだもの、新しいもの、そういったものをどうとらえて、位置づけるのかということは一人一人の考え方次第です。これは21世紀に生きている我々に与えられている大きな試練です。

 最後に、須磨学園に勤める我々は、これからもずっとずっとずっと君たちの味方だということを、忘れないでほしいと思います。 困ったことがあったら、卒業アルバムを開いて思い出してみてください。いつでもSOSのメールしてください。 この丘の上に人生相談に帰ってきて下さい。 お金には限りがあるけれど、知恵はいくらでも貸せます。 我々はいつ、なんどきでも、なにごとでも、皆さんの味方です。 僕は喜んで諸君らの身元引受人になります。 だから、今日は「さよなら」の日ではなく、「いってらっしゃい」の日です。
 私は、皆さんが3年間無事で、今日、ここに卒業式を迎えることができたことを、もう一度、心から感謝したいと思います。 神様、ありがとうございました。そして、皆さん、おめでとうございます。
 皆さん一人一人の人生における夢の実現を願い、皆さん一人ひとりの幸せを心から祈っています。

 さあ、元気で、いってらっしゃい!

2017年3月4日 学園長 西 和彦