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2016年度 中学卒業式 理事長 式辞

 中高一貫11期生の皆さん、須磨学園中学校ご卒業おめでとうございます。この3年間を振り返ると、皆さんは本当に色々な事を学び経験されて、大きく成長されました。皆さんのご家族は、心身ともに立派になられた皆さんを見て、心から喜んでおられることと思います。私達も皆さんの成長を嬉しく思います。

 今日のこの卒業式は一つの区切りです。今まで切れ目無く続いてきた中学校生活において、S1からS2になることを、皆さんは自然なことと受け止めているかもしれませんが、実は今日は特別な日であることを申し上げたいと思います。
 まず、今日の卒業式は義務教育が終了した日であること、そして皆さんが、子どもから大人になる区切りの日であること、それを今認識していただきたいと思います。
 では、子どもと大人の違いはどこにあるのでしょう。

 私が、この人は子どもだなと思う人はどういう人かというと、例えば、自分の思い通りにならないとき、世の中の多くのことは思うようにならないものですが、そのときに駄々をこねたり、わがままを言ったりする。そして、自分の思い通りにならないことを相手のせいにする、自分に足りないことがあったことを反省しない、人に迷惑をかけても謝らない、本人には全く悪気がない、そういう人が子どもだと思います。程度の差はあっても、皆さんには多少思い当たることがおありだと思います。私も含めて、実は大人にもそういう人が少なからずいます。反省をしないまま生きてきた人は、子どものまま大人になってしまいます。それはとても恥ずかしくて情けないことですが、当の本人は気づいてなかったりします。

 わがままは一度や二度なら許されることもあります。皆さんのわがままは今まで周囲から許されてきたと思います。しかし、三度・四度とわがままを重ねてきた人に言いたいです。そろそろわがままを言わず、自分がやったこと、自分がやらなかったこと、自分が言ってしまったこと、自分が言わなかったことに責任を持ってください。責任を負うということは、自分のしたことを他人のせいにしないで、自分のことと受け止めて逃げないことです。例え、その問題を解決することはできなくても、何がいけなかったのか考えて行動することです。感情的な反応をすることではなく、理性的な解決を探っていきましょう。自分はどうすればいいのか、どのようにすべきなのかを幼い自分に問う、大人の自分を育ててください。皆さんにはそういうたくましい理性を獲得してほしいと思います。他人とトラブルがあったときに、感情の赴くままに怒ったり泣いたりするのではなく、相手の立場にたって想像力を働かせて考えてみる。これはイマジネーションの問題です。相手がどう思うのか、感じているのか、どういう人なのかを考える。それは、とても難しいことだと思います。

 考えた後で、次に何をするのか。考えたことを相手にぶつけることが一番良い方法だと思います。相手が受け止めてくれなかったときにどうするか。自分の考えた事を周囲の大人に聞いてみてください。先生やご両親、先輩たちに聞いてみてください。周りの大人は皆さんの求める答えをもっていないかもしれません。でも、自分で考えて出した答えには意味があると思います。教科書に書いてあったことでもなく、人から教えてもらったことでもない、自分自身を総動員して出した答えこそが自分の答えであり、自分自身がスタートするところです。自分自身から始める。そして、もしその答えが間違っていたらどうすればよいか。修正すればいいのです。反省して改めて、軌道修正してください。そうすることを繰り返すことで、今まで分からなかったことの一つ一つの問題が腑に落ちていくことでしょう。

 私はこれから皆さんにそういう学びを期待しています。皆さんの更なる成長を願ってこれからも応援していきたいと思います。
 ご卒業おめでとうございます。

2017年3月17日 理事長 西 泰子