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2020年度 1学期終業式 高校校長 訓話

1学期の終業式にあたり話をします。
この度学校にとっての正月であり、1学期スタートの大切な節目である4月は、世界的なコロナウィルスの蔓延による感染症拡大の影響で、これまで我々が経験したこともないような大変な状況となりました。
そしてその影響はその後も衰えることなく、この1学期は皆さんにとっても非常に大変な状況であったと思います。現在も第2波、第3波とも呼ばれる感染症の蔓延が多くの地域で報告されています。

オンラインによる入学式、始業式、インターネット授業配信、そして実登校との組み合わせによる分散登校から現在の80%登校に至るまで、感染症防止対策と再開に向けての準備や行動を両立していかなければならなかった日々は、皆さんにとって様々な意味で今後忘れられない経験となったものと思います。

このような状況下で今日皆さんに伝えたいことは、「原点」を大切にしてほしいということです。そしてそのために求められることは、我々が常に「前向き」であるということだと思います。
「オンライン授業では制約が多くてやりにくいな」と思うより、「この状況下でもオンライン授業があるから学びを止めずにいられる。自分なりに最大限の活用を追求しよう」と思ってほしいのです。「実登校はしんどいな」ではなくて「実登校が再開されたおかげで、コミュニケーションの機会が改めて広がって、様々な可能性が再び広がった」と思ってほしいのです。「社会情勢の変化でまた〇〇ができなくなった」ではなくて、「この状況下でも〇〇はできるだろう。今のうちに□□をしてみよう」と一人ひとりが前を向いてほしいのです。

誤解を恐れずもっと切り込んで言うと、「うがいや手洗いも徹底せず、電車でマスクをはずしているなど、人の見ていないところでは油断しているのに、特定の場所ではやたらと3密回避ばかりを気にして委縮している」のではなくて、「誰も見ていないところでも、誰かが手を抜いているところでも、自覚をもって感染症対策を徹底して、学校のような大切な仲間との大切な場所には一人ひとりが徹底して安心を持ち寄って集って」ほしいのです。決してきれいごとではなく、その意識こそが「原点」なのだと思います。そもそも感染症になっていない人たちはいくら密になっても大丈夫です。大切なことは、その大丈夫な状況を一人ひとりの心がけでしっかりと作り上げること=自覚と協調 なのだと思います。
話が少し飛躍しましたが、学校は「みんなが安全に健康に集う」こと、そしていかなるときでも「学びを止めない」ことこそが大切な「原点」だと思っています。そして大切な人のために、大切な場所のために我々が常に「前向きな姿勢である」ことこそが、人としての「原点」であってほしいと願っています。社会情勢はまだまだ予断を許さない状況であり、明日からは夏期休暇期間に入ります。それぞれの生活となりますが、今こそそれぞれの場所で、全員で前を向いて、明るく元気に、この苦境を乗り越え、夏休み明けに改めて全員で安心をもち寄ってこの場所に集えることを心から楽しみにしています。

最後になりますが、高校3年生の皆さん、須磨学園の先生方を信じてしっかりついていって下さい。皆さんを勝たせるのは須磨学園です。この場所をフル活用して下さい。後に振り返ったときに「やっぱりあの夏がすべての原動力だった」と思えるような、そんな「原点」とも言える夏期休暇期間となることを心から期待しています。将来の「勝」を目指して力強く頑張ってください。

2020年7月31日 高校校長 堀井 雅幸