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2020年度 中学校入学式 理事長 式辞     「主体的に学ぶ姿勢」

 自宅のパソコンの前にいる新入生の皆さん、スマートフォンの画面を見ている新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私たちは入学していらっしゃる姿を見るのを、今日か明日かと心待ちにしておりました。須磨学園教職員一同、大歓迎をしております。

 保護者の皆様、ご子息・ご息女のご入学心よりお慶び申し上げます。これから先の6年間、私たちの学校運営は、保護者の皆様のご理解、ご支援とご協力なくしては成立いたしません。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 皆さん、校庭の桜は満開です。皆さんの入学を待っていたかのようです。ところが待ち受けていたのは、緊急事態宣言です。学校は休校。ゴールデンウィーク明けまで私たちは皆さんにお会いできません。
 私たちは考えた結果、すべての行事、授業をインターネットで配信していきます。皆さんとのやりとりは、電話、メール、インターネットの動画りなどありとあらゆる手段を使って皆さんとやりとりをしていきたいと思います。そこで皆さんにお願いがあります。インターネットの通信環境がまだきっちりと整っていいないご家庭は、どうかご準備をお願いいたします。
 この混乱した社会情勢の中で、色々と先が見えないことばかりになっています。皆さん、この先の中学校生活がどうなるのだろうか、と不安に思っておられると思います。しかし、大丈夫です。この先どうなるかをわかっている人、正解を知っている人はそれほど多くはないと思います。皆さんの周りにも色々な情報が錯綜しています。何が正しいのか、何が間違っているのか、自分はどうすればいいのか、わからない時にそうすればよいか。一番簡単な方法は、人に聞くことです。お父さん、お母さん、学校の先生、周りの専門家などに、わかりませんから教えて下さい、と聞いてみることです。

 しかし、須磨学園の生徒になった皆さんに私が求めることは、自分で調べることです。わからないことがあった時に自分で考える。まず、いっぱい情報を集めましょう。例えば、新型コロナウイルス肺炎については、巷に色々な情報が出回っていますが、色々な情報を集め、違いを考える。本当に一番のよい方法は、自分の目で見て、耳で聞いて、それを基に考えることですが、今はできません。信頼できる、確実だと思える人から情報をもらう、調べにいくなどして情報を集め、それを基に考えることが大事です。一番よくないことは、誰かの話を鵜呑みにすることです。ありとあらゆる情報を集め、分類し、背景を調べて自分の頭で考えることを、須磨学園の学びとして、皆さんに求めたいと思います。これから先、皆さんの前には正解のない問い、出口の見えない問いなどいっぱい出てくると思います。その時、自分の頭で考え、答えを出すことがどんな問題に対してもよいことだと考えています。

 将来自分のなりたいものが見えていますか、決まっていますか。自分で決めましたか。自分で決める人生を送っていただきたいと思います。6年間あります。長い期間です。色々なことを経験し、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じ、自分はどうしたいのか、どうありたいのかを、考え決めてほしい。決まったら、目標に向かって努力をするだけです。私たち須磨学園教職員は、その努力のサポートを惜しみません。皆さんがなりたい自分になっていただく6年間を、みんなでサポートしていきます。

 大きな社会的な危機を25年前にも経験しました。阪神淡路大震災です。振り返ると、大きな学びになっています。須磨学園高等学校・中学校が歩み出す大きなきっかけとなりました。新型コロナウイルスの危機的状況を経験することで、皆さんにとって大きな学びになることを願っています。

 人と連携し、この局面を乗り切っていきましょう。皆で進んでいきましょう。

2020年4月8日 理事長 西 泰子