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創立百周年記念式典 謝辞

 本日、150名を超えるご来賓の皆様、そして育友会関係各位に祝電祝辞・ご臨席を賜り、学校法人須磨学園創立100周年記念式典を挙行できますことは、大変大きな喜びであります。心より御礼申し上げます。
 この式典に先立ち、過去の記念誌やアルバムをひも解きますと、先人たちの努力に改めて気づかされます。戦争、経済不安、震災、そして昨今の新型コロナウイルス感染症と、つねに歴史の中にはその時代を生きる人々が体験したことのない未曾有の出来事が起こりました。大正、昭和、平成、令和と4つの時代を生き抜くことは、決してたやすいことではなかったはずです。
 歴史と言いますと、大きな転換点や一部の人間が注目されがちです。しかし、それだけでは歴史は形成されません。忘れてならないのは、歴史の表舞台に名前を残さない数多くの人たちの存在があるという事実です。本学園の歴史も同様です。記念誌に刻まれたり、後世に語り継がれたりする名前ばかりではなく、各時代を支え、学園の発展に貢献してきた生徒、教職員がたくさんおりました。そうした人々の尽力があって、この100年が続いてきました。光が当たらずとも、各々が自分の立場で懸命に努めてきたことに改めて感謝いたします。
 技術革新や価値観の変化などにより、この100年で教育の方法も変わりました。たとえばオンラインが当たり前となり、授業も自宅で受けられることで利便性は高まりました。一方で、学校の存在意義を問われることも多くなりました。しかし、時代や環境が変わっても、人が人を育てるという教育の本質は変わらないと確信しております。
 この先も予期せぬ、答えのない問題に直面するはずです。それには、普遍の知と、個別の事象に対応できる柔軟な思考力が求められ、教育の役割は一層増していきます。先人たちによって100年にわたって受け継がれてきた教育の火をこれから先も絶やすことなく、求められる教育とは何かをつねに考え、今後も歩みを止めることなく学校運営をしてまいります。そして、次の時代の須磨学園を担っていくことをここに誓います。
 結びに、これまで本学園の教育活動にご支援とご協力をいただいてまいりましたご来賓の皆様、育友会、須和会ならびに地域の皆様方に心より御礼を申し上げますとともに、皆様におかれましては今後も本学園にご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げ、謝辞といたします。

令和四年十月二十六日 副理事長 西 暢明