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2026年度2学期始業式 高校校長訓話

 おはようございます。2学期の始業式にあたり話をします。

 皆さんはこの夏休みいかがでしたか? とにかく今年も暑かったな…という感想を持つ人が多いと思いますが、予報によるとまだまだ暑い日が続きます。引き続き体調には気をつけて、本日から始まる「動き」の多い2学期を充実させてくれることを期待しています。

 さてこの夏は皆さんの数多くの成果を耳にすることができて、時に目の当たりにすることができて、たくさん熱い気持ちにさせてもらいました。ソフトテニス部の皆さんが、初の全国優勝(インターハイ女子団体戦優勝)を果たしました。筆舌に尽くしがたい快挙です。本当におめでとうございます。また硬式野球部は、夏の甲子園をかけた県大会において、初めてベスト4に進出しました。日頃の努力を糧にして躍動する選手の皆さんの姿、そしてグラウンドとスタンドが一体となったあの光景は、本当にすばらしい光景でした。他にもアーチェリー部の全国大会入賞の快挙、陸上部や水泳部の皆さんの全国大会での安定の活躍など、暑い夏に負けない皆さんの“熱い”思いを感じさせてくれる数多くのすばらしい成果に勇気づけられました。

 部活動以外にも海外の短期留学や各学年の合宿やキャンプなど、それぞれ非常によい経験をしてくれたとの報告を聞いています。高3の皆さんは、学習合宿や、仮想共通テスト、仮想二次試験の模試に挑んだ経験が、今後のオープン・実戦模試や年末の共通テスト対策に向けてこの上ない糧となります。この経験を活かすために、引き続き復習と弱点補強に努めてください。

 このように皆さん全員がそれぞれこの夏に得たすばらしい経験を、しっかりと胸に留めて、アドレナリン全開でこの2学期を元気に駆け抜けてくれることを期待しています。

 さて皆さん、「アドレナリン」と言えば、普段から「アドレナリンが出る」という言い方をよく聞くと思います。アドレナリンとは副腎髄質から分泌されるホルモン物質であり、勝負どころにおいて自分でも信じられないぐらいの力を生み出す原動力であると言われています。

 もう一つ効果的なものとして、「セロトニン」というものもあります。“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンは、精神を安定させる働きをすることに加えて、生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与するようです。人が安定した取り組みを維持していく上では、先ほどのアドレナリンだけではなく、心を落ち着かせる作用のあるこのセロトニンの働きは欠かすことができないそうです。

 皆さんはこのアドレナリンやセロトニンを意識的に出やすくする方法があることを知っていますか?場面によって勝手に出たり出なかったりするものというイメージがあるかもしれませんが、実は意識的に出しやすくする方法があるそうです。2学期は学校行事や勝負の機会が多くありますので、前向きになれる“攻め”のアドレナリン、そして安定をもたらす“守り”のセロトニンを出しやすくする方法についてそれぞれ代表的なものを二つずつお伝えします。

 まずアドレナリンについては、「何事にも達成できるかどうか際どいラインの目標を設定して取り組む」ということです。まさにPMTMの発想ですよね。簡単過ぎず、難し過ぎない目標を設定して、それに向けて取り組んでいる時間は基本的にアドレナリンが分泌されて、よい高揚感のもとで取り組むことができるようです。「いける」という感覚をもつことが大切で、「無理かも」という思いが充満すると基本的に分泌は抑えられてしまうので難し過ぎる目標もこの点では効果がありません。高い目標を目指すにしても、まずは適度な目標を重ねていくことが効果的であるということです。(私も経験がありますが、自分より少し速い人と走ると自分もタイムが上がったりしますよね。ポイントは自分よりはるかに速い人ではなくて、“少し”速いぐらいの人と走った場合により効果が表れるということです)

 二つ目は「声を出す」ということです。例えば試合前に大きな声で掛け声をすることで、士気が高まり、緊張感が高まり、アドレナリンが分泌され、いつも以上の力を発揮することができるようにもなります。 またカラオケなどで大きな声で歌うと高揚感が高まってきますよね。カラオケで思いっきり歌った後にスッキリするのも、アドレナリンの効果だと言われています。人間関係において挨拶を大切にするというのもこのあたりと相関があると思います。確かに人間は耳からの情報に最も刺激を受けるという研究報告もあります。皆さんもぜひ何かを始めるとき、何かを終えるとき、…そういう大切な節目で、しっかりと声を出すということを心がけてください。大切な場面での声出しを通して、自分自身を勇気づけるような声を、自分や周囲の大切な人たちにしっかりと届けて、アドレナリン全開で大切な場面に挑んでください。

 続いてセロトニンを出しやすくする方法ですが、一つ目は「太陽の光をあびること」です。精神の安定を保つのに必要とされるセロトニンは、日光にあたることで多く分泌されるようです。秋になり日照時間が少なくなると、セロトニンの分泌が減ってしまい、それを補うために、たくさん食べてセロトニンのもとになる物質を得ようとするようです。日照時間が短くなる季節ほど人は食欲が増す傾向がありますが、それは心の安定のためにセロトニンを食で補おうとしていると言えるかもしれません。『食欲の秋』と言われるのはこういう部分も影響しているという説もあるようです。

 二つ目は「好きなこと」をすることです。好きなことに臨んでいるときにはセロトニンが出て、人は精神を落ち着けることができるようです。『読書の秋』、『スポーツの秋』、『芸術の秋』などと言われるのは、秋になって日照時間が短くなっていくにつれて、人がセロトニンを補うために、好きなことに打ち込む機会を求めることにも関係しているのかもしれません。誰でもできる心がけだと思いますので、ぜひ心に留めておいてください。

 酷暑の疲れが何となく抜けきらないままに今日を迎えている人も多くいるかもしれませんが、皆さんが元気にこの2学期を乗り切るために、日ごろのちょっとした心がけを重ねることで、大きな後押しを得られるかもしれません。アドレナリンやセロトニンで、いつも通りの力や、時にいつも以上の力を発揮することができるのは、AIにも真似できない人間固有の特長と言えます。

 何事にも「ちょうどよい目標」を設定し、「声を出す」ことを心がけてください。そして、「太陽を浴びる」時間と「好きなことをする」時間を大切にしてください。

 このような小さな心がけの積み重ねを通して、皆さんが体育祭、研修旅行、部活動、そして受験勉強などの舞台において大いにパワーを発揮して躍動し、実りある2学期を過ごしてくれることを心から期待しています。

2026年9月1日 高校校長 堀井 雅幸