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2025年度卒業証書授与式 学園長 式辞

 
    
 

 英語の試験の問題になるかどうかはわかりませんが、英語の慣用句に“Blessing in disguise”という言葉があります。
 皆さんは受験のために勉強をしましたか。日本語ではほぼ同じニュアンスで次のように訳されます。「不幸中の幸い、災い転じて福となす、塞翁が馬、怪我の功名、ピンチはチャンス」。

 この“Blessing in disguise”の語源は、18世紀の中頃のイギリスに遡ります。最も広く認められている最初に印刷された使用例は1746年に遡りますが、イングランドの作家であるJames Hervey(ジェームズ・ハーヴェイ、1714-1758)が書いた賛美歌(hymn)“Since all the downward tracts of time”の中で登場します。
 この賛美歌は、彼の代表作“Meditations and Contemplations”(『瞑想と黙想』1746年出版)の一部として収録され、特に “Reflections on a Flower-garden. In a letter to a lady”という章に含まれています。

 当該部分の原文(抜粋)
Good when He gives, supremely good, Nor less when He denies;
Ev’n crosses from His sovereign hand
Are blessings in disguise.
というくだりですけれども、訳は神が与えるものは善く、拒む(与えない)ものも同様に善い。(だから、与えるものもいいし、与えられなかったことも、それには理由があっていいという)神の御手からくる試練さえも変装した祝福である。

 一見、辛いことでも悪いことでも、実はそれは必ず良くなるということを意味しています。だから、いいことに対しても、悪いことに対しても、一人ひとりの人の心の持ちようがすべてだということです。心をどういうふうに持つのもお金はかかりません。だから、我々は自分の目の前にやってくる、困ったこと、苦しいこと、辛いことなどこれらがどうして来るのか。

 例えば、浪人。なんで浪人になったのかということを考えるときに、自分の身の上を嘆くのではなく、浪人することで自分の人生はどう変わるのか、どう良くなるのかということを考えてほしいと思います。

 私は先ほど70歳になりました。これだけ生きてきて、皆さんに自信を持って保証して申し上げることは、今まで生きてきた中で、大変辛いこともたくさんありました。今も辛いことはたくさんあります。でも無駄なことは一つもなかった。辛いことも、最後には意味のあることだったということを、心の底から自信を持って皆さんにお話しすることができます。
 ということで、これからの人生、何があっても生き方を考えて生き延びようではありませんか。

 卒業にあたって、これからの人生を歩み始める諸君らに、一言お祝いの言葉として申し上げたいと存じます。本日は本当におめでとうございました。

  

2026年3月1日 学園長 西 和彦