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2025年度 中学校卒業式 理事長・中学校校長 式辞

 中高一貫20期生の皆さん、卒業おめでとうございます。
 この3年間を振り返ると、皆さんは本当に多くのことを学び、さまざまな経験を重ねてこられました。皆さんのご家族は、心身ともに成長した皆さんの姿をご覧になって、心から喜んでおられることと思います。私たち教職員もまた、皆さんの成長をとても嬉しく思っております。

 さて、今日この卒業式は一つの大きな区切りです。
 須磨学園では、そのまま高等学校へ進学しますから、皆さんにとっては普通に進級することと、あまり変わらないように感じているかもしれません。
 しかし、今日は特別な日であるということを皆さんにぜひとも認識していただきたいと思います。
 今日、皆さんは義務教育を終えます。お父さんお母さんのなさる義務教育は終わりました。そして同時に、皆さんは子どもから大人へと変わる節目の日であると思っております。今日までが子どもで、明日から大人になって突然、子どもから大人になるわけではありませんけれども。では、子どもと大人は何がどう違うでしょうか。ちょっと考えていただきたいと思います。
 私が「まだ子どもだな」と思う人は、例えば、自分が思い通りにならないことがあるときに駄々をこねたり、わがままを言ったりする人です。
 世の中の多くの事柄は、自分の思い通りに進むことの方が実は少ないですけれども、そんな時にうまくいかない原因を他人のせいに、自分以外の人のせいにする人がいます。自分に足りないところがあったからだというふうに考える人はあまり多くいません。人に迷惑をかける人も時々います。人に迷惑をかけても謝らない人もいます。そういう人は、大人になっても心は子どものままです。実は世の中、そういう大人が少なからずいます。私を含めてですけれども、反省をしないまま生きていると、子どもの心のまま大人になってしまいます。どうか皆さん、気をつけてください。

 わがままは、一度や二度なら許されますけれども、三度も四度もわがままを言うことは許されません。皆さん、今日ここでどうか決意をしてください。そんな大人にならないように、「自分は子どもの自分から大人になろう」と決めてください。自分がしたこと、自分がしなかったこと、自分が言ったこと、そして自分が言わなかったこと、そのすべてに責任を持つ人になってください。
 責任を持つということは、どういうことか。それは、起きたことを他人のせいにしないということです。たとえすぐに問題を解決できなくても、何がいけなかったのかを考えて、次にどうすればよいのかを考えることです。
 感情が赴くままに反応するのではなくて、もしも自分が悪ければ、きちんと謝れる人になっていただきたい。そうやって、自分の大人の部分を育てていってください。また、人とぶつかったときには、相手の立場に立って考える想像力を持って対応してもらいたい。とても難しいことですけれども、皆さん、どうかその努力をしてください。
 なぜ私がこんなことを言っているかというと、今の中学、高校の時に、皆さんの人となり、人格や人間性、皆さんの倫理観であったり、皆さんの社会性であったり、そういう勉強以外の「人として大事な部分」が、この時期に形成されます。このときを逃すと、大人になってから、20歳を過ぎてから、社会人になってからではいささか遅いです。

 想像してください。いい大学に行ける。それはそれでいいと思います。いい会社に就職する。いい大学を出ると、会社に入るパスポートをもらったのと一緒です。いい会社に就職できるかもしれません。でも、皆さんが社会に出てどんな力が問われると思いますか。大事なのは、皆さんの人間性です。人となりが社会で問われるわけです。皆さんが就職、仕事を見つけるとき、最初に問われることはこれです。どれだけ皆さんが頭がいいか、お勉強ができるか、そんなことよりももっと大事なことは、皆さんがどういう人であるかということです。皆さんが正しい倫理観を持っているか、公平な考えを持っているか、困った人に優しくいれるか、人を助けることができるか。そういう力は、この中高生の間にしか培うことができません。そういう力がこれから問われていきます。ですから、この時を逃さないでください。

 周りの大人がいつも正しいとは限りません。皆さん、困ったときに、わからないことがあったときに、自分の頭で考えて結論を出していくことがとても大事です。正解が出なくても大丈夫です。正解が出ないときに周りの大人に聞いてください。もしかしたら周りの大人は正解を知らないかもしれない。でもそれでもいいと思います。間違った答えであったとしても、自分で出す答えというのには意味があります。
 間違っていたらどうすればいいか。修正すればいいのです。修正して、これが正しかった、多分これだろうということを探りながら、これから問題に向き合っていってください。そうすると、相手の反応で、自分が正しかったか、どうなったかというのが少しずつ見えてきますし、だんだんいろんな問題の自分で出した答えが、一つずつ腑に落ちていくと思います。

 私は皆さんにそのような学びを実践していただき、たくましい理性を獲得していただきたいと思います。感情の赴くままに怒って、お父さんやお母さんやお友達や周りの人たちに感情をぶつけるのではなく、自分自身について考えて、そして自分はどうするべきなのかを何度も何度も問い直していただきたいと思っています。私は皆さんにこういう学びを実践されることを期待しています。さらなる皆さんの成長を願って、これからも応援してまいります。

 今日は卒業おめでとうございます。

  

2026年3月14日 理事長・中学校校長 西 泰子