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2024年度第1学期始業式 高校校長訓話

 おはようございます。1学期の始業式にあたり話をします。

 本日新年度を迎える学校としての「正月」の日にあたり、皆さんには改めて強調したいことがあります。それは、「人」として生きていく以上は、常に自分自身の「心」の持ち方を意識してほしいということです。

 自身の心の持ち方によって、姿勢が変わり、それによって言動が変わり、それによって他者への影響が変わり、それによって他者との関係性が変わり、それによって自分への影響が変わり、それによって自身の心の持ち方が変わる(または安定する)…というサイクルが生じると思います。つまり、他者とのよい 関係を築く上では、自身の「心」に向き合うことが不可欠なものであると思います。

 では、そのために普段どのような心がけが求められるのでしょうか? まずは、自身の喜怒哀楽に真摯に向き合う勇気と覚悟を持つように心がけることが大切だと思います。うれしい時、楽しい時には思わずはしゃいでしまうこともあると思います。悲しい時、苦しい時には思わず投げやりになったり、他者に攻撃的になったりしてしまいそうになるかもしれません。しかしそのような時々において、真に向き合うべき自身の「心」は、そのような行動で満たされたり救われたりするものではないと思います。普段から自身の「心」に基づく適切な言動のあり方について「考える」という習慣を大切にしてください。

 そして、常に他者に配慮した言動を心がけてください。当たり前のことですが、言葉・態度の受けとめ方や価値観は個々に全く異なるものです。それをしっかりと認識し、誰とどのようなやり取りをするにしても、常に相手の立場を思う、自分が言われたらどう思うのかを考える、などの配慮をいつも大切にしてください。その意識こそが、互いの心を守り合い、その関係性をよい状態に保つための糧になるのだと思います。

 どうしても反論する場合においても、一度立ち止まり、少し時間をおいて(適切な言動を考えてから)応対するなど、平素から冷静に自身のアンガーマネジメントを行うよう努めてください。怒りを抑えるには、「6秒我慢しよう」、とか「一度遠くを見よう」、など様々な助言を聞くことがありますが、少なくとも私にはそれらが効果的であったためしがありません。(学園長先生の「いったんトイレに行く」という方法は効果があるようなので試してみてください) 今後ぜひ自分なりの自分の自制についても考えてみる機会を持ってほしいと思います。突発的な方法ではない個々の有効なあり方を見出してくれることを期待しています。私としては、普段からしっかりと「挨拶」を心がけることが、自身の心を健全に保つうえで非常に大切なものであると思っています。「挨拶」を心がけることで、オープンマインドになり、それを習慣づけることで、楽しい時だけではなくて、つらく悲しい時の糧になるものであると確信しています。何事も普段の心がけこそが、しかるべき時に活かされるものであると信じて、普段の心がけを大切にしてほしいと思います。

 しかしそのように気をつけていても、いくら事前に考えていても、人は間違いを犯します。人がミスや失敗をすることは当然であるとの前提をもとに、自身の行動に問題があると認識した場合は、素直に謝罪する勇気を持てる人であってほしいと思います。自身の心を健全に保ち、他者との関係をより円満なものにすることで自身の心にも還元するという意味でも、ぜひ謝意(感謝の心と謝罪の心)を自分の中で常に大切にしてください。

 そしてこれは上記の続きというよりは、実際にあったことを踏まえての注意ですが、何らかの質問などを含め、見知らぬ人からの声かけには応じないでください。自分が嫌だと感じる危険や迷惑な行為に遭った場合は、躊躇なく110番通報を行ってください。学校への連絡はその後でかまいません。徹底してください。このような不測の事態において、適切な行動をとることができるかどうかについても、普段の「心」がけが大きく影響するものであるということを強調しておきます。

 一人では生きることができない「人」として、これから皆さんが生きていくうえで、「なりたい自分」を追求するうえで、そして数多くの人との関係を経て成長する存在であることを踏まえ、真に大切なことであると考え、この新年度のスタートの日である本日、この話をさせてもらいました。しかるべき心がけを大切にして、周囲とますますよい関係を築いてくれることを切に期待しています。

 さて最後になりますが、高校3年生の皆さん、いよいよ最上級生としての生活、そして次なる進路に向けた大きな勝負を迎える年度の始まりです。これまで以上に「勝ちたい」という思いを強くもってください。皆さんを「勝たせたい」と心から思っている先生方の思いと融合させて、今日からさらに大きな未来へのパワーを産み出し、後輩の皆さんが誇りをもって後に続くことができる偉大なる軌跡を描いてください。

 それでは、明日迎える新入生を加えた全員で、新年度も元気よく声出していきましょう。

2024年4月5日 高校校長  堀井 雅幸