SUMA GAKUEN
学校法人
須磨学園
  • HOME
  • 2024年度高校入学式 理事長 式辞

2024年度高校入学式 理事長 式辞

 長く厳しい寒さが続いたこの冬でしたが 突然春がやってきたような気がします。
 今日校庭の桜は 皆さんの入学を待ちわびていたかのように満開に咲き誇っています。 たった今入学を許可された、須磨学園高等学校共26期生238名、並びに中高一貫18期生の158名の皆さん、ご入学おめでとうございます。私たちは皆さんを心より歓迎しています。これからの三年間、どうぞよろしくお願いします。

 保護者の皆様、これからの三年、私どもは子どもさんの指導に全力を尽くしてまいりますが、保護者の皆様のご理解ご協力なくしては、須磨学園の教育は成立いたしません。 皆様のご理解とご支援を賜りますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、これからの高校生活に期待と希望を胸に膨らまして入学して来られたことと思います。最初に申し上げたいことは、これからの三年間は、皆さんが次の段階に進まれる準備の期間であるということです。三年もあるから大丈夫と思っておられる方がほとんどかもしれません。でも、この限られた時間で、皆さんは次の段階へと進む準備をしていただかねばなりません。皆さんの可能性は無限に広がっていくと言われていますが皆さんのこの学校での時間は有限です。

 ですから、皆さん一人ひとりが抱いておられる、それぞれの高い目標、それは日々の努力なくして達成することができないとするならば、どうか皆さん今、決意をしてください。自分は目標を達成するために努力をするという、その決意をしてください。決意をすることは早ければ早い方がいいと思います。志や目標は高ければ高いほど、やりがいがあると思います。着実に足元を固めていくことは必要ですが、高い目標をなくして、するべき努力は具体的には見えてこないかもしれません。なんとなく過ごす三年間では、自分の掲げた目標を達成することは難しいです。決意をしてください。

 須磨学園のテーマは自己実現です。「なりたい自分になる。そして…」をスローガンに掲げています。こうありたい自分になることは自分自身でこれをお決めになることです。 そしてなりたい自分になることは、自分だけで完結できることではありません。こうありたい自分は、どのように人とつながっていくのか、社会の中でどのような役割を果たしていくのか、どのような立場をとっていくのか、どのような責任を果たしていくのか、それについても考えてください。そして、自己実現を図る上において、須磨学園が皆さんに期待することは、主体的な学びです。やらされるのではない、自ら掴みにいく学びです。 皆さんには自分から掴みに行く姿勢を期待します。

 三年後、ここにいらっしゃるほとんどの方が大学の入学試験をお受けになられることと思います。大学の入学試験は机に向かう学び、知識の定着と吸収、知識を使うことだけでなく、さらに深い学びが問われていくことになります。正解のない問いをどのようなプロセスで、アプローチで考えていくのか、目標に向かって自分はどのようなプロセスで実践していくのかという、実践する力も問われます。それだけでなく、皆さんの学ぶ姿勢も問われていきます。大学の入試においては、数年前から大きな改革の波が来ています。社会の変化とともに、求められる力、求められる人は、大きく変化をしてきている昨今です。皆さんには実践を通してその力を身につけていってもらいたいと思っています。
 しかし、変わらないものもあります。それは人としてあるべき姿、高い倫理観とたくましい理性と、そして人の痛みに共感することのできる感性。この人としてあるべき姿の土台を固めるのがこの高校時代です。清く、正しく、たくましく。 時代を生き抜く力を育てていってください。今皆さんの前に広がっている世界は広く、そしてこれから皆さんが登って行かれようとする山は高く、頂上に続く道は険しい道かもしれません。でもその山道を皆で一緒に登っていきましょう。より高く登ればより広い世界が見えてきます。そしてより遠くまで世界が見えます。今から三年後、卒業を迎えられる時の皆さんには、どのような景色が見えているのか楽しみにしています。

 それでは張り切ってスタートしましょう。

2024年4月6日 理事長  西 泰子