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2024年度高校入学式 高校校長 式辞

 本日は皆さんを祝福するかのごとく晴れ渡った空模様となり、満開の桜が皆さんを迎えました。新入生の皆さん、須磨学園へのご入学、誠におめでとうございます。教職員一同、心より皆さんを歓迎します。

 保護者の皆様、ご子息・ご息女のご入学、誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。今後の須磨学園の教育活動におきまして、皆様から多大なるご理解・ご支援を賜りますことを、この場をお借りいたしまして、お願い申し上げます。

 さて義務教育を終えて、これから新たに、はるかなる海を見渡すこの丘の上で、晴れて高校生活をスタートさせる新入生の皆さんに、私から心からの期待を込めて3つの言葉を贈ります。
 1つ目は、かの有名な芸術家であるミケランジェロが残した次の言葉です。 『最大の危機は、目標が高すぎて失敗することではない。低すぎる目標を達成することだ。』という言葉です。
 目標が高くて、高すぎて失敗するのはよいのです。長い目で見れば目標が低すぎて失敗しないことの方がまずいと思います。高い目標に向けてたくさんチャレンジしてください。その数多くのチャレンジを通した失敗こそが、皆さんにとって未来の成功に向けた大いなる糧となるものであると確信しています。ぜひ、低い目標の達成で慢心を続けるような生き方はやめて、高い目標をつくることに遠慮せず、失敗することを恐れない姿勢で、高い志をもって須磨学園での生活を送ってください。須磨学園にはそのような高い志を後押しする機会に溢れています。ぜひ積極的にこの環境を活かしてください。

 2つ目の言葉は、長く苦しい時期を経て、南アフリカで初めて全人種が参加した普通選挙を通して大統領に就任し、ノーベル平和賞も受賞されたネルソン・マンデラという方の言葉です。それは、『生きるうえで最も偉大な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転ぶたびに起き上がり続けることにある。』という言葉です。そう、失敗してもよいのです。先ほども伝えた通り、失敗するのは挑戦する者の特権なのです。大切なことは、高い目標を立てて、そのために何事も自ら主体的な姿勢で臨み、そして、たとえ失敗しても決してあきらめずに次なる成功の糧とするという強い精神なのだと思います。ぜひ意義ある失敗をたくさん経験して、それらを糧にして、「なりたい自分」になるための真の強さを身につけていきましょう。

 3つ目は、『清く・正しく・たくましく』という言葉です。この言葉は、須磨学園の建学の精神であり、私が個人的にすごく好きな言葉です。皆さんには須磨学園生としての誇りを持って、清く・正しく・たくましい人に成長してくれることを期待しています。
 『清く』 生きていく人であるために、他者への思いやりや感謝の心、そして素直に感動する心をしっかりと育んでください。自らの「心」の持ち方、「心」のあり方はもちろん、他者の「心」に対して、常に気を配ることができる人であってほしいと願います。
 『正しく』 生きていく人であるために、「考える」ことから逃げないでください。あらゆる場面において、自身のあるべき姿、正しい姿勢とはいかなるものであるのかについて、真摯に向き合って考えてください。自らが物事にどのような姿勢で臨むべきか、それぞれの場面においていかなる言動をするべきか、ということについて常にしっかりと考える習慣を育んでください。
 そして、『たくましく』 生きていく人であるために、いかなる勝負においても、絶対に「勝つ」ことをあきらめない人であってほしいと思います。これから皆さんは幾多の勝負に挑むことになります。先ほど「失敗」をしてもよい、という話をしましたが、それはもちろん初めから「失敗してもよい」という気持ちで臨めということではありません。挑むと決めたならば、その勝負に対して「負けても仕方がない…」、「胸を借りるつもりで…」、「いい勝負ができれば…」 などの消極的な姿勢で臨むべきではありません。どんなに厳しい状況であっても「勝つ」ためにどうあるべきか、何ができるかを徹底的に追求してください。そのような強い信念で勝負に挑んだ者は、意義のある「負け」を経験できるのだと思います。そしてそれこそが、先ほどお伝えした挑戦した証であり、未来の糧となる栄えある「失敗」なのです。そこに向き合った者だけが、勝負において勝ち負けという概念を超えた本当の「価値」を見出すことができるのだと確信しています。

 須磨学園の玄関横に、建学の精神『清く・正しく・たくましく』という言葉が刻まれた校祖の像があります。須磨学園が創立100周年を迎えた一昨年の記念事業の一環として、現在の場所に移設されました。ぜひ今日の帰りにその言葉を目と心に焼きつけて、今日の門出の日の思いを胸に刻んでおいてほしいと思います。私たちは、将来皆さんが、清く・正しく・たくましい人として、「なりたい自分」になって、社会や世界で大いに躍動する日を楽しみに、この高校生活においてその礎をつくることができるよう、様々な機会を通して、全力で皆さんを支えていくことをここに誓います。それでは3年間どうぞよろしくお願いします。

 以上私からの式辞とさせていただきます。

2024年4月6日 高校校長  堀井 雅幸