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2024年度高校入学式 学園長 式辞

 ウクライナで戦争が起きていることはご存知でしょう。イスラエル、パレスチナで戦争が起こっていることもご存知でしょう。今先ほど、インターネットで世界の戦争の数を調べてみました。なんとこの地球上の56カ所で、戦争紛争が起きています。その56という数字に驚きました。

 それで、今日は皆さんに、3つのテーマについて考えてほしいと思います。最初は、「平和」についてです。戦争というのは、平和の反対語ですけれども、こういうことを言う人がいます。その人は200年位前の軍事に関係した人ですけれど、平和とは何か、戦争の準備期間のことをいう、と言った人がいます。これ酷いなと思います。戦争の準備をする時間が平和というのは、間違っているのではないかと思います。私は国にとってはそうかもしれないけれど、我々一人ひとりの人間にとって、平和とは何か、私は一人ひとりの人間が、一人ひとり心の中で、平和がいい、平和を望みたい、と一人ひとりが思う気持ち、この思う気持ちを全部合計したものが、平和ではないかと思うのです。平和を望む人の気持ちというのは非常に平和感に満ちています。その一人ひとりの平和感を合計したものが平和ではないかというふうに思います。そして、平和というのは英語で言うとpeaceといいます。

 2つ目の言葉で、皆さんに考えてほしいテーマは「味方」という言葉です。味方という言葉の反対は何か、味方という言葉の反対語は敵です。諸君らが、これから必要なものは、味方だと思います。自分のことをいつも支えてくれる人、自分のことをいつも守ってくれる人、自分が何かしようとした時に手伝ってくれる人。ぜひ高校に入って、毎日毎日味方を増やしていってほしい。何もしないで、味方なんてできません。私の味方になってくださいと言わない限り、人は味方になってくれません。ところで味方という言葉の英語を知っていますか。敵のことはenemyといいます。味方のことを英語でfriendといいます。つまりfriendには2つの意味があります。1つは友達、もう1つは味方という意味があります。だから、そういう意味で高校時代に大切な言葉はfriendだと私は思います。

 3つ目の皆さんに考えてほしいテーマは「寛容」という言葉です。寛容という言葉の英語は何でしょうか。ほとんどの人が寛容という言葉の英語generousだと答えます。 寛容の英語はgenerousではありません。寛容の英語はtoleranceです。これは後で調べてもらったらいいですが、人は一人ひとり違う、考え方も、背の高さも、生まれも、育ちも。その人が一人ひとり違うということを受け入れる、国が違う、言葉が違う、違ってもいいではないか。それが寛容という言葉です。その寛容という言葉は、国連のユネスコが21世紀のテーマということに選びました。

 ということで、皆さん、今日は、平和という言葉、味方という言葉、寛容という言葉、そしてその英語、peaceとfriendとtolerance。これを高校に入るにあたって覚えてほしいというお願いをいたします。須磨学園に来てくれて本当にありがとう。我々は一生懸命これから諸君らをサポートしていきたいと思います。毎年、毎年ここでお話をしますが、3年後にここで皆さんが卒業する日のことを楽しみに私たちも進んでまいりたいと思います。

 本日はご入学、ご進級おめでとうございました。

           

2024年4月6日 学園長  西 和彦