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2024年度第1学期始業式 学園長訓話

 2024年度の始業式に当たり、元々今日はZoomで実施予定でしたが、ぜひ、新任の先生方との着任式については、対面で、顔と顔を合わせてお願いしたいということで急遽皆で集まってするというふうになりました。

 ここで、皆さんに申し上げたいことは、映像のコミュニケーションは、Zoomを利用することが多いですが、このZoomで最初に対面をするときに無理なことがあります。表情は伝わる、声は伝わる、しかし、Zoomでは、気持ちは伝わらないのです。皆さんの前に立ってもらって、顔と顔を合わせて、言葉を発して、その言葉を生の声で聞く、生の音で聞く、言葉と映像に加えて、気持ちが伝わると私は思います。それはものすごく大切なことです。さっきの国歌の演奏ありましたけど、諸君らは、須磨学園に入学してきた時に、須磨学園オーケストラの生の演奏を聞いて入学してきてもらいました。生の演奏の方が当然いい、素晴らしい。その違いは何か。それは、生であるか、デジタルであるかの違いです。デジタルになれば、そこに感情とか、雰囲気とか、重要なものが失われてしまっているのです。つまり、デジタルコミュニケーションのリスクというものを、まずは一番最初に理解をしてほしいと思うわけです。

 少し話題を変えて、去年の大学入試の結果はどうだったか、大学入試の結果は、須磨学園が始まって100年以来の一番ベストな結果が出ました。とても嬉しい。どういう経緯でこの結果が出たか、それをちょっとさかのぼってお話をしたいので、数字を言いますけれども覚えてみてください。まず今年は東大、京大をはじめとする難関10大学、国公立医学部に合計139名合格しました。1年前は111名でした。2年前は97人、3年前は115名、4年前は130名でした。

 2年前の97名という結果に対して、当時検討に検討を重ねました。担当の教員は、Zoomで授業をしたから、デジタルコミュニケーションの限界です、という意見もありました。僕はそうかって言ってたんですけど、さらに調べていったらわかったことがあります。

 それは、9時学を十分実施できていなかったということも大きな要因の一つと思います。コロナの時期でなければ、普通に勉強している時間に十分勉強できていなかったのです。1日3時間勉強しなかったから、97人という結果に終わってしまったんではないかということを、皆で大反省をしたのです。今日私が皆に言いたいことは、1日3時間勉強しなかったら、この結果になるということです。逆に1日3時間、他の受験生よりも余分に勉強することができたら、受験に勝てます。間違いなく勝てます。

 色々お話してきましたが、皆さんに最後に最もお願いをしたいことは、1日3時間の勉強をしなさいということではありません。もうコロナの時代ではないし、1日3時間勉強する時間、場所は十分確保できます。私が皆に頼みたいことは、1週間に1時間xyzTとPQRSを取り組んで欲しいということです。皆に問いたいこと、それは、心はどこにあるかということです。勉強はすることはもちろんですが、それ以上に、タイムマネジメントを20年間続けてきた須磨学園だからこそということですけれども、皆に言いたいことは、心が、それよりも大切だということです。コミュニケーションに心をどうのせるのか、自分が自分の心をどう持つか、大きなところ、温かいところ、xyzT,PQRSに取り組むことを通して、週に1時間ぐらい考えてほしいのです。それを毎週1時間、この学校に在籍中の約150週1時間ずつ150時間考えて高校卒業した人と、全然何も考えず受験勉強のことだけ考えて、高校生活終えた人との違いは、大学、社会に出てから出てきます。ものすごく大きく出てきます。

 このことを、私は皆さんにお願いをして、2024年の始業式のお話とさせていただきます。

2024年4月5日 学園長  西 和彦