学園長 訓話



 1学期を過ごすにあたってぜひ皆さんにお願いしたいことをお話したいと思います。 それは、タイムマネージメントをするにあたって、追加でしてほしいことについてです。

 皆さんは、PM・TMは金曜1限にすることだと思っていませんか。そう思っている人もいると思います。 PM・TMをしっかりしている人もたくさんいて、それは良かったというか、嬉しいです。まず皆さんに言いたいことは、PM・TMは金曜1限の授業だけでしないといけないことではないということです。 毎日を過ごすときに何をするのか決めているのは時間割ではありません。 今日は時間割によると国語、英語、数学、理科、社会があって、それに合わせて学校に持っていくものを決めて学校に来るという小学生的なことではなくて、 自分の24時間をどういう風に使うのかを自分が決めるようにする。 まとまった時間を金曜1限にとって決める。でも、金曜1限にPM・TMをやって後はやってないという人はいたとしたら、それは間違いではないが、もったいないと思います。 僕がやっていて、みんなにもやってほしいことをお話します。

 まず、いつも寝る時間を1時間早めてほしいです。一人ひとり寝る時間は違うと思いますが、1時間早く布団に入って布団の中で考えてほしいことがあります。
 その日に起きてから自分がしたことを思い出してほしい。 朝起きて、ご飯を食べて、トイレに行って、家を出て、どこの道を通って、駅に出て、電車に乗って、電車の中で何をして、電車を降りてどういう道を通って学校に来て、学校に着いて誰と話してというのを出来るだけ細かく思い出してほしい。 疲れているときは5分で寝てしまうと思いますが、疲れてなければ思い出せます。これは、練習をしないと上手に思い出せません。 でも、練習をすると簡単に思い出せます。1日18時間を思い出すのに、私の場合は始めは1時間かかった。時間がかかりすぎだと思ったけど、ずっとやっているうちに1時間分を思い出すのに必要な時間は1分になりました。 だから、朝起きてから夜寝るまで18時間あるとしたら、18分で思い返すことができます1日を思い返しながらメモをとることが大切です。
 これで何が良かったか。あの時、誰々とこういう話をして、こういう約束をした、こういう本を読もうと思った。 大体、1日をあっという間に過ごしてしまって忘れていることが、一日に5個から10個ある。 この本を読みたい、ここに行きたい、誰々と遊びに行きたいというような、思ったけれど忘れてしまったこと、落としてしまったことを取り返すことができる。 これはとっても大切です。これをすることで、あの人は約束を守る人、あの人は行ったことを必ずする人という信用・信頼ができる。 この作業には30分もかからないと思う。
 後の30分で次の日の予定を考える。 朝起きてからのやること、学校でやらないといけないこと、午前の授業、お昼、午後の授業、放課後はクラブがあって、9自学をしてなど色んなことがあると思う。 次の日にする予定を前の日に決めて、その日は突っ走る。その次の日の予定は、夕方18時くらいに決める方がいいと思います。遅い時間に決めようとすると、あまりうまくいかないです。 また、次の日に朝起きたらすぐに起きないで、今日は何をするのかを1分刻みくらいで予行演習をしてほしい。今日は学校に行ってこんなことをする。 仲の良い友達とこんな話をしたいとか。これも十分慣れてきたら、18分くらいで終わると思います。明日の予定を朝起きたときにリハーサルするというのは、ものすごく便利です。 リハーサルする内容について、おおまかに寝る前に考えておく。そうすると、気になることとか考えないといけないことは、夜寝ている間に自分の深層意識の中で整理される。 例えば、今日の朝の話は学校に行く途中に考えたのではありません。土曜に入学式が終わってから、始業式の話を何にしようかずっと考えていました。 昔は、前年の話をプリントアウトして読んでいたこともありました。でも、次に何をいうか生徒が分かっていて、その通り僕が言うとくすくす笑うんです。 学園長は同じことを毎年言っていると皆が思う。僕が壇に上がると、紙を広げるこそこそという音がする。 そういう風にみんなに笑われたので、毎年違う話をするということにしました。
 言いたいことは、夜寝る時にその日のことを思い返す。朝起きたらその日の予定を考えてみる。 僕はこの30年ぐらい、ずっとそれをやってきて、そのおかげで自分の時間を効率よく使えるようになりました。

 夜していることは、結局何なのか。それは「反省」です。反省というのは、こうすべきだった、こうした方がよかったかもしれないという、自分を顧みて考えることです。 しかし、諸君らにしてほしくないことがある。それは、「後悔」です。反省はしてほしい。でも、自分のしたこと、終わってしまったことに対して愚痴を言ったりすることを後悔と言います。 これは、しても何も良いことがありません。僕も後悔をたくさんしました。そういう人生を送ってきましたが、この年になって思うことがあります。 それは、後悔は無駄だということです。後悔は何の役にも立ちません。諸君らは後悔することをやめてほしい。過去に対しては後悔ではなく反省をして、学んだことを未来に活かす。 そういう年にしてほしいと切に願っています。


2015年4月6日 学園長 西 和彦