学園長 式辞



 須磨学園中学校にご入学おめでとうございます。 入学式にあたり、皆さん方に一つお願いをしたいと思います。お願いの前に一つ質問です。 3辺がx (cm), y(cm), z(cm)の直方体の体積はどうしたら求めることができるでしょうか。 中学校の入試としては易しすぎるかもしれません。答はx×y×zですね。

 今日のお願いは、皆さん方にこれから心をこういうふうにもってほしいということです。 どんな心を持っている人が立派なのか。温かい心なのか、大きな心なのか、強い心なのか。私はその指標は4つあると思います。
 1つ目は、広い心を持つということです。2つ目は、高い心を持つということです。3つ目は、深い心を持つということです。 広さと高さと深さ。この3つを掛け算したものが、結果として大きな心になると思います。 どんな広さなのかは一人ひとりみんな違います。また、広さといっても具体的に何を意味するのか。高さといっても具体的に何を意味するのか。深さといっても具体的に何を意味するのか。 それを毎日、時々でいいので考えてほしいと思います。普段から考えない限り、答は出てきません。
 この3つの広さ・高さ・深さの他に一番大切なものとして、その心を温かくもってほしい。大きな心を持っているけれど、冷たい心の人にはならないでほしい。 凍った心を持った人にならないでほしい。温かい、ときどき熱い心を持つ中学生、高校生になってほしいと思います。

 さて、心というのはどこにあるのでしょうか。 こう聞かれると多くの人は心臓を押さえます。しかし、心臓は心の臓器と書きますが、心ではありません。 だから、心は心臓の近くにあるのか、心臓の中に宿っているのか、それは一人ひとり考え方が違うと思います。 ただ、心が体の中にあると考えないでください。自分の体よりも大きな心、地球をも包んでしまうような大きな心、そして何より温かい心をもって中学生活を過ごしてもらえたらと期待しています。


2015年4月4日 学園長 西 和彦