在校生代表 祝辞


 一雨ごとに暖かさが増し、春の訪れを感じる季節となりました。三年生の皆さま、ご卒業おめでとうございます。在校生一同、心よりお祝い申し上げます。
 先輩方は今、何を思い返されているでしょうか。須磨学園のシンボルともいえる、あの長い階段と急な坂道。 春、夏、秋、冬、季節の移り変わりを肌で感じながら、毎日、この坂を上り、そして夜景を見下ろしながら帰った日々。 そんな毎日も、明日からは高校時代の思い出となっていくのですね。

 私たちにとって、先輩方はいつも、とても大きな存在であり、六期生の方々は、中学の入学式で胸にコサージュをつけていただいた時からずっと、兄や姉のような存在でした。 先輩方を校内で見かけることがなくなると思うと本当に寂しいですが、これからは自分たちが最終学年として、後輩たちを引っ張って行くのだと、身の引き締まる思いです。

 学校行事やクラブ活動、生徒会活動を通して、私たちはいつも、先輩方の背中を追い続けてきました。その中で一番印象に残っているものは、先輩方の笑顔です。 文化祭で、それぞれのクラスが趣向を凝らし、一丸となって盛り上がっている時に見かけた、さわやかな笑顔。 前夜祭の運営に携わった時には、新しいことも思いきり楽しもうとする先輩方の笑顔に、どれだけ励まされたかわかりません。 体育祭の、勝利への気迫が観覧席まで伝わってくるプレーと、グラウンドの空気を一瞬にして変えてしまう、迫力あふれる応援合戦で見た、まぶしい笑顔。 クラブ活動での、共に汗を流し、全力を出し切ったチームメートと称えあう、晴れやかな笑顔。 自分たちで計画し、試行錯誤を繰り返しながら、何かを成し遂げた時の先輩方の笑顔は、常に私たちの憧れでした。 自分たちもあんなふうになりたい、と思える先輩方がいてくださったから、私たちは「須磨学園の生徒としてのなりたい自分」をイメージできたのだと思います。 本当にありがとうございました。

 先輩方は、今日、それぞれの「なりたい自分になる」決意を胸に、この学園を巣立っていかれます。 プロジェクト・マネジメント、タイム・マネジメントで培った計画性と実行力、そして仲間と協力しながら、果敢に挑戦していく力。 新しいステージでも、こうした「須磨力」を持って、自分らしさを存分に発揮されることをお祈りしています。 そして、時には、懐かしい思いを胸に、この坂を上り、私たちが先輩方に負けない笑顔で頑張っている姿を見に来てください。

 卒業生の皆様のご活躍とご健康を、在校生一同、心よりお祈り申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。

2015年3月1日 在校生代表 千手 孝太郎