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須磨学園高等学校にご入学おめでとうございます。 高校入学のときに、その次は何かという話は少し先を急ぎすぎかもしれませんが、皆さんは高校を卒業して、大学に入学して、大学を卒業して社会に出ることになるでしょう。 その就職をする時に問われる3つの条件があります。私は、須磨学園の学園長を務めながらこの20年間、大学で教鞭をとってまいりました。 その経験から、現在の大学の卒業生が必要とされているのは、3つのことであると思うようになりました。 1つ目は「専門性」であります。どういう専門を持っているのか。 2つ目は「人間性」であります。人とどういう風に人として向き合っていくのか。 3つ目は「国際性」であります。国際的な知識をどれだけ持っているのか。 この3つが満たされた者が就職をなしとげています。 最初に必要な「専門性」についてお話します。人はそれぞれ一人ひとりこの世に持って生まれた使命があります。 その使命は一人ひとり違います。医者になる人、法律家になる人、研究者になる人、教員になる人、ビジネスをする人、政治家になる人、官僚になる人、一人ひとり諸君らの目指すものは違うはずです。 一人として同じ人はいません。しかし、一人ひとり違う目的、目標を専門という形で社会に役立たせていくことは皆同じです。 専門をもって社会に貢献する、こういう生き方をぜひ考えてほしいと思います。君たちの心の中に潜んでいる自分が持って生まれてきた使命を探し出して、見つけ出して、その夢を実現してほしいと思います。 次に必要なことは「人間性」です。人間は一人では生きることはできません。ここで、リーダーシップとチームワークが必要になります。 このリーダーシップとチームワークを覚えて、他の人と上手に生きていくことを学ばなければなりません。生まれも、育ちも、価値観もが違うヒトが一緒に生きてゆく。 そのためには、全てのヒトが意識しなければならない、最低限のルールが必要です。 須磨学園では、「道徳」だけでなく、「良心」と「平和」について学ぶことになっています。 なぜかというと、道徳はヒトが決めたルールです。価値観です。もちろん大切ですが、もっと大切なことがあると思います。 それは、「自分が決めた価値観」です。それが良心です。自分の良い心を自分が決めて大切にしていってほしいのです。 また、人間性を考える上で、大きく大切なことは「平和」です。 この戦争だらけの世界で、それでも平和を求めて考えていくということを、一人ひとりの個人が続けていくためには、普段から我々は平和とは何かということについての意識を持たなくてはなりません。 次に必要なことは「国際性」です。この25年間で地球はインターネットに覆われてしまいました。 この50年間でジェット機が発達したことにより、安いお金で世界のほとんどの国にも直行便で行くことができるようになりました。 国際語として英語が世界に広まり、英語さえ話せればどこの国に行ってもほぼ困ることはありません。でも、英語を話すことだけでは足りません。 コミュニケーションの道具としての英語だけでなく、世界の色々な国々の色々な人々の異なった考え方、異なった文化、異なった習慣を知っていることが大切であります。 それが真の国際性であると思います。そして、その違いを認め、その違いを尊重する、これが大切なのではないでしょうか。 須磨学園のテーマは「なりたい自分になる」ということです。自分の夢を実現する、自己実現であります。 この生き方をどこから始めたらいいのか。それは、大学を卒業したら何になりたいかという、今の自分の気持ちを、今の自分の希望を信じることから始めたらいいのではないでしょうか。 この言葉をよく考えてみてください。今の心ということは「念」という字です。この「念」を信じるということが「信念を持つ」ということです。 つまり、「信念を持つ」ということは、「今の自分の心を信じる」ということです。自分は何になりたいか。 そして、それは必ず素晴らしい仕事であるものだろう。自分はこういう仕事をしてみんなの役に立ちたい。 自分の今の思いを信じることができればできるほど、自分の夢は、自分の希望は実現に向かって進んでいき、夢は必ず実現します。 君たちの高校の3年間を支える言葉に是非してほしいと思います。 私は心から諸君らのこれからの須磨学園での健闘を願っております。 ２０１４年４月５日 学園長 西 和彦
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