学園長 訓話



 おはようございます。始業式にあたりお話をします。

 “friend”という言葉があります。この言葉の意味を皆さんは知っていますか?中学校一年生の問題だと思います。 ほとんどの人は、「友達のことです」という答えをします。確かにそれは正しいです。”my friend”といったら「私の友達」ということになります。 しかし、もう一つ大切な意味があります。それは、「味方」という意味です。
 「友達」という意味のfriendの反対語は何か。友達の反対語は友達でない人のことです。では、味方という意味の”friend”の反対語は何か。それは”enemy”です。 つまり、敵ということです。3.11の地震の時に、地震の復興を助けてくれた国がたくさんあります。例えば、アメリカはトモダチ作戦をやってくれました。 アメリカの空母を仙台の沖に派遣をして、アメリカの人達が仙台の被害にあった飛行場を改修してくれました。この作戦のことをトモダチ作戦と言います。 ほとんどのマスコミはトモダチ作戦といっていました。英語でいうと”operation friendship”という名前だったと思いますが、これをトモダチと訳すのは間違っている。 日本がアメリカの同盟国であって味方であるからやっているということがあったと思います。
 私は今日何が言いたいかというと、学期の初めにあたり、一人ひとりが新しい友達を作ってほしいということです。 皆さん、友達の作り方を知っていますか?それは、「僕の友達になってください」と自分から言うことです。誰かが「友達になってくれ」と言ってくれるのを待っていたら、友達は増えません。 Facebookでボタンを押して友達になるだけではありません。自分がその人に会って頼む、ここからスタートするのです。 何となく気が合って友達ということもありますが、それだけでは不十分だと思います。

 話は変わりますが、スイスという国がある。今年のヨーロッパ研修旅行から、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリアに加えてスイスに行くことにしました。 スイスという国は、ヨーロッパの中ではEUに属さないで一国だけ中立という国を決めている国です。中立という言葉はどういうことか。それは友達が一人もいないということです。 それだけではなく、外交関係については友達かどうかではなく、敵か味方ということでしかありません。そのため、スイスは自分の国以外を敵と考えて生きている国だと言えると思います。 皆さんは、自分以外のすべての人が敵という生き方をしますか?そんな悲しいことはありません。 今年はぜひ、周りの人とたくさん友達になってください。それが平和の第一歩ではないかと思います。

 4月の初めにあたり、今年は友達を増やしていく年にしてほしいと思います。


2014年4月4日 学園長 西 和彦