学園長訓話


 あけましておめでとうございます。

 今日は、始業式の後、毎年恒例の書初めをします。 皆さんも準備をしてきたと思います。書初めについて、お願いがあります。 ぜひ書初めは自分の今の思いを書いて下さい。 きれいな字を書くためだけに書初めをしている人がいます。自分で意味の分かっていないことを書くのはどうかと思います。 書初めの賞を出すために作品を見ているときに、意味の分からない書初めを見ることがあります。 私は、それは違うと思います。年の初めに書く書初めの言葉に一番大切なことは、「そこに本当の自分の気持ちが書かれているかどうか」だと思います。

 諸君らの中でカラオケに行ったことがある人もいると思います。 カラオケは、気の合う仲間でカラオケルームに行って、テレビのスクリーンに出てくる歌詞をみんなで歌うという娯楽です。 僕はカラオケが最初大嫌いでした。何故かというと、カラオケに行くとわけのわからない、流行っている歌を歌わなければならないからです。 オヤジ世代が好む歌に「昴」という歌があります。「何も見えない・・・」という暗くて嫌になる歌詞です。 仙台のお城、青葉城のことを歌った「青葉城恋唄」という歌があります。「もはやあなたはいない・・・」、などの寂しい歌詞です。 そのような歌を歌っていたら、大切な人とも別れて家族ともばらばらになってしまうよと思いながら聞いていました。 皆さん、カラオケに行って、なりたい自分でなく、自分が今いる幸せな境遇ではない歌を歌うのはどうでしょうか。 私は問題であると思います。そういう歌を心から歌うと、自分が歌詞の通りの状況になります。 失恋の歌を歌えば必ず失恋する。浪人の歌があるなら、その歌を歌えば必ず浪人する・・・。

 なりたい自分になるためには、「なりたい自分という夢」を持つ必要があります。 他の人にとっては滑稽にみえるかもしれない。他の人にとっては大きすぎて無茶に見えるかもしれない。 でも、どんな夢であっても、それはかけがえのない自分の夢です。 そういう夢を皆さん一人一人がしっかり持ってほしいと思います。 なりたい自分になりたいという夢を持つ。自分の未来の限界は、自分の夢を超えることは絶対にありません。 自分の限界は京都大学ではなく大阪大学だと思った時に、京都大学には絶対に行けなくなります。 自分の限界は大学4年で就職すると思ったときに、大学院には絶対行けなくなります。 ですから、自分の限界は、すなわち自分の夢の限界だと覚えて、毎日、大きな夢を持ってほしいと思います。 そして、その大きな夢を小さく砕いていく。大きな夢を小さな行動に分解してゆき、それをコツコツ毎日実行する。 夢に日付を入れるということが、プロジェクトマネジメントとタイムマネジメントの本質であります。 夢に日付を入れると、夢は毎日の目標になる。 それをこつこつ毎日実行して、少しづつでも大きな夢の実現に近づいていってほしいと思います。

 今日はこれから良い書初めを諸君らがすることを祈っています。


2014年1月6日 学園長 西 和彦