学園長訓話


 2学期の初めにお話をしたことを皆さんは覚えていますか。そのときに僕は「この秋をどんな秋にするのか」ということをお話しました。
      食欲の秋、
      勉強の秋、
      芸術の秋、
      音楽の秋、
色々な秋があります。この秋は皆さんにとってどういう秋だったのでしょうか。この秋の9月、10月、11月、12月のそれぞれの月のPM、それぞれの週のTMはどうだったのでしょうか。皆さん振り返ってみてください・・・。

 今日、諸君らは成績表をもらいます。 良かった科目、そんなに伸びなかった科目、下がってしまった科目、色々あると思います。 その科目の結果を見るときに大切なことは、良かったところを素直に認めて、自分を自分でほめてあげることではないかと思います。 自分で自分をほめるとはどういうことか。それは、鏡の前に立って自分を見ながら自分で頭をなでるしかないということです。 君たちにはお父さんがいる。お母さんがいる。だから、お家に持って帰って成績表を見せたら必ずほめてくれる親がいる。 でも、その親が成績表を見て叱ることをするでしょうか。大人も子どもも含めて自分を叱ってくれる人が周りにいるでしょうか。 それに、叱られたら嫌なものです。だから、周りの人には、言いたくないこと、良くないこと、悪い結果は言わなくなります。 だから年を取るに従って、どんどんどんどん自分を叱ってくれる人は少なくなります。 そんなものです。

 自分をほめるということの次に必要なことは、自分の失敗を認めるということです。 この9月、10月、11月、12月に自分はこういう失敗をしてしまった。 その失敗によって、ある科目のテストの点数が全然だめだった。 周りの人との関係がうまくいかなかった。いたずらをしてそれがばれて追い込まれている。色んな失敗が身の回りにあると思います。 できるならば、それを失敗と思わないで、こういう風にしたら上手くいかないという実験をして、やはり結果がうまくいかなかったという風に考えるようにしたらどうでしょうか。 人間は、失敗といった瞬間に体が凍り付いて、頭のシャッターが閉じてしまって動かなくなってしまいます。 失敗と思わなくて、実験をして上手くいかなかったと思うと、次からそれを繰り返さないようにしようという素直な反省の気持ちが生まれてきます。 素直な反省の気持ちがすごく大切だと思います。 失敗をして嫌だ、怒られるのが嫌だ、くしゃくしゃと紙玉にしてゴミ箱に捨てる。 そういう生き方ではなくて、失敗を上手くいかない実験という風に考えて、同じことを2度としないようにするという生き方を諸君らにすすめたいと思います。

 さて、この冬はどんな冬になるのでしょうか。 12月はもう冬ですが、学校のカレンダーでは冬学期は1月からです。 この冬になるときの前の休み、冬休みにどうするのがよいのでしょうか。 結論から言うと、冬休みに冬眠してはいけません。 諸君らは冬眠をする動物ではなくヒトなので、冬眠をしないでしてほしいのです。 受験生の諸君らはもちろん受験の準備をすると思います。そのことについては心配していません。 では、受験生でない諸君らに何をしてほしいのか。 それは、来年一年の大きな計画をたてるということです。 学校の一年は4月から始まります。でも、世の中の一年は1月から始まります。 3カ月の差がありますが、毎年、12月の末に次の年の計画をたてることをしてほしいと思います。 MPMがいいと思います。大きなまとめのPMで、
      どういう風に勉強をしていくのか、
      どういう風にクラブをしていくのか、
      どういう風に遊びをしていくのか、
      どういう風にお手伝いをしていくのか。
とりあえず来年一年だけでいいですから、これをやって、2014年が素晴らしい年になるようにしてほしいと思います。

 それでは、年が明けて書初めの日にまたお会いしましょう。


2013年12月21日 学園長 西 和彦