学園長 式辞



 須磨学園中学校にご入学おめでとうございます。
 今日は、私が大切だと思う2つのことについてお話したいと思います。
 2つの大切なこととは、1つは「頭」で、もう1つは「心」です。
 「『体』が足りないのではないのですか」と聞かれそうな気がしますが、体は生まれた時にほとんどの人が決まってしまっています。 ですから、「頭」と「心」ということについてどうしていってほしいかということについてお話します。

 「頭」については4つのことをしてほしいと思います。「よく見ること」、「よく聞くこと」、「よく話すこと」、「よく覚えること」の4つです。 見ないふりをする、聞かないふりをする、何も言わないということが賢さであると昔の中国で言っていた例がありますが、決してそんなことはありません。 いい頭を作るためには、色んな物を見て、色んなことを聞いて、自分が思っていることを正確に人に伝えて、知識を覚えていくということをする必要があります。
 それでは、「心」はどうしたらいいのか。それは、毎月1回、心をどうしたらよいのかということを、教わるのではなく、諸君らが考える授業があります。
 心をどうするのか。
 1つ目は心を大きく持ってほしいと思います。
 2つ目は心を高く持ってほしいと思います。
 3つ目は心を深く持ってほしいと思います。
 そして最後4つ目は、心の温かさです。どんなに大きな心を持っていてもこれがないと悲しいです。温かい心を持つ中学生になってほしいと思います。

 私は、この須磨学園中学校を楽しい中学校にしたいと思います。みなさんに楽しく勉強してほしい。 楽しさとは何か。それは1つしかありません。「楽しさとは、好きなことをすること」です。 では、嫌いな勉強はしなくてよいのかというと決してそんなことはありません。好きな科目は放っておいても伸びます。 嫌いな科目はぜひ好きな科目にして取り組んでいってほしいと思います。ちょっと勉強するだけで、嫌いな科目も必ず好きな科目になります。 ある科目が自分は苦手だと思った瞬間に心のシャッターが降りて、心のドアが閉まってその科目から取り残されてしまいます。
 では、嫌いな科目をどうしたらよいのか。嫌いな科目を好きな科目にするための味方の人が君たちの周りにたくさんいます。それが先生です。近くの先生にどうか聞いてください。
  「先生、数学を好きになるためにはどうすればいいの。」
  「先生、歴史を好きになるためにはどうすればいいの。」
  「先生、英語を好きになるためにはどうすればいいの。」
 必ずどんな教員でも諸君らに好きになる秘訣を教えてくれると思います。嫌いな科目を少しずつ好きになる。それが中学校を楽しく過ごす秘訣だと思います。

 それだけではありません。好きな科目をもっと好きになってもらうために、中学校創立10周年の今年から新しい取り組みを始めようと思います。 それは、「鉄人バッジ」です。学年のテストで10番以内になると5教科別に鉄人バッジを差し上げます。 「英鉄」、「国鉄」、「数鉄」、「理鉄」、「社鉄」です。そして、それぞれ中学校の各教科研究部の部員に自動的になります。 中学校の各教科研究部の部員は高校の教科書を使って勉強します。次のテストで10番から落ちても鉄人バッジは没収しません。安心してください。
 諸君らは無試験で高校に進学をします。高校受験という大変な取り組みがない諸君に是非その分中学生活を楽しんで送ってほしいと思います。


2013年4月6日 学園長 西 和彦