理事長 式辞


 桜の花が皆さんの入学を待っていたかのように咲き始めました。須磨学園高等学校共学14期生337名の皆さん、ご入学おめでとうございます。私たちは皆さんを心より歓迎します。保護者の皆様、御子息御息女のご入学のお祝いを申し上げます。これからの3年間、皆様のご理解とご支援なくては須磨学園の教育は成り立ちません。どうぞよろしくお願いいたします。来賓ならびに関係者のみなさま、御多忙中、御臨席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 さて、新入生の皆さん。これから始まる高校生活は限られた時間です。3年間の限られた時間が、皆さんにとって自分が将来何をしたいのか、そしてどのような自分になりたいのかを考え、そのための準備をする時間となることを期待しています。将来、どのような自分になりたいのかが、すでにみえていらっしゃる方もいらっしゃると思います。そのなりたい自分が、自分以外の誰かにとっても意味のある自分であるとともに、少なくとも自分や他の人を傷つけることのない自分であることを願います。更に言うと、その自分が誰かにとって、世の中にとって良いことをもたらす自分であることを期待します。志を高く持ってください。

 まだ、なりたい自分がどういう自分であるのかを決めておられない方、なりたい自分がみえていない方、これから探していかれる方におすすめしたいことがあります。まずは、自分で決めたことをやってみることです。誰かが決めたことや、人から与えられたことをやらされるだけでなく、自分で決めたことを自ら進んで行っていただきたい。私は自分にとって一番良い決断とは、自分自身が決めることだと考えています。皆さんは他の何者でもない自分の人生における決断を、この高校生活においてなさることになります。主体的に行ってください。失敗することがあるかもしれません。でも、失敗することは悪いことではありません。なぜなら、失敗することは身をもって学ぶことです。次に失敗したくなければ、なぜ失敗したのかを考えます。現在の失敗が、先の人生の糧となるでしょう。どうか自分に限界をおかずに、失敗を恐れずに、軌道修正をしながら、自分のやりたいことに果敢に挑戦してください。我々はそのための支援を惜しみません。

 皆さんの前に広がる世界は広く、皆さんが登る山は高く、そして頂上に続く道は険しいかもしれません。その山道をみんなで登っていきましょう。より高く登ればより広い世界がみえてきます。そして、より遠くまで世界がみえます。卒業を迎える頃の皆さんが、どんな世界が見えているのか楽しみです。

 では、これからの皆さんのご健闘を祈っています。




2012年4月7日 理事長 西泰子