理事長 式辞


 6期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 無事に今日の日を迎えることができて、大変うれしく思っています。振り返ってみると実にいろいろなことがありました。様々な経験をされて、大きく成長なさった皆さんの姿を見てとてもうれしいです。感謝の気持ちでいっぱいです。中高一貫生ですから卒業といってもこれからまだ、ほとんどの人たちが3年間を一緒に過ごすことになります。この中だるみと言われている時期に、卒業されて新しい高校生活を迎える皆さんに申し上げておきたいことが2つあります。

 1つ目は未来の時間と可能性は無限ではないということです。あと3年で皆さんは、将来の方向性を大きく決める節目を迎えられます。大学の入学試験です。この中学の3年間で自分の頑張りが不十分だったと思っておられる方。自分は中学入試ほどがんばってこなかったと思っておられる方は、良い区切りですから、一日も早くスタートをきる準備をしてください。

 2つ目です。先ほど時間と可能性は無限ではないと言いました。しかし、遅すぎるということはないということです。かつて、皆さんの先輩の卒業式でもお話ししましたが、19世紀の作家でジョージ・エリオットという人がいます。男の人の名前ですが、実は女性です。その人の言葉で、“It is never too late to become what you might have been.” というのがあります。「なりたい自分になることに、遅すぎることは決してない。」という意味です。200年前の人がこういうことを言っています。皆さんは、この3年間さぼっていたので、もう遅すぎると思っている人がいるかもしれません。しかし、遅すぎるということは決してありません。中学校の卒業を機会として、そして4月に迎えるであろう高等学校の入学を一つの区切りとして、今までの自分と違う、こうありたいという自分になるためにもう一度気持ちを新たに持っていただきたいと思います。

 これからの3年間も今までの3年間のように、良い3年間であることを願っています。そして、皆さんの今までの3年間のご健闘にお祝いを申し上げます。

 卒業おめでとう。



2012年3月19日 須磨学園 理事長 西 泰子