学園長 訓話


 おはようございます。3学期の終業式、終わりのセレモニーの日です。今日のテーマは「勇気」という言葉についてです。

 5つの勇気についての話をしたいと思います。
1つ目の勇気とは何か、目の前でおこっているいろんなことから逃げない、向き合う勇気。逃げずに向き合う勇気が1つ目です。

 2つ目の勇気とは何か、考えて認識する勇気だと思います。
自分の目の前でおこっている事実とは何か 。医学部を受けて滑った。それもたくさんすべりどめを受けていればいいのに、国立大学の医学部しか受けなかった。その事実をなかなか認識したくない、考えることから逃げる。逃げてはいけないとは言わない。目の前の事実を自分が認める。それはその自分が受け入れると言う前にまず、自分の問題が何であったのかということを、素直に考える必要があると思います。

 3番目の勇気とは何か。それは目の前の事実を受け入れる勇気だと思います。自分の目の前にある事実。テストで赤点をとってしまった。おこずかいを使ってしまってお金がなくなってしまった。BコースからAコースに落ちてしまった。いろんな目の前の事実を、自分なりに受け入れて、それで良いのだという、 そういう気持ちになる。そして、それでもやるのだという気持ちになる。それを受け入れることができた人は次の段階に進むことが出来ると思います。

 そして、4番目の勇気。そうするとやっとTMとPMをやる気になる。また、TMとPMの宣伝をやっていると思われるかもしれないが、TMとPMをやらない限り問題は解決しません。TMとPMをやらないという勇気もあるかもしれない。やりたくなかったら、やらなくて良いです。勇気をもって担任の先生に言いましょう。「先生僕はTMとPMが嫌いです。止めます。」と。先生に言ったらその日の夕方に学園長室に来て下さいということになります。僕と会ってお話がしたい人はどうぞ言って下さい。

 5番目の勇気は何かといったら、どんなに苦しくても生き延びるという勇気です。クラスの皆からあいつアホとちゃうと言われたり。クラブであいつ選手になれないと言われたり。親にお前は家の子じゃないとしかられたりしても、それでもやる。そういう勇気。

 この5つの勇気が大切ではないかと思います。
もう一度おさらいをすると、一番最初の勇気は逃げずに向き合う勇気。英語で言うとConfrontと言います。辞書で調べてみて下さい。直視する、向き合うという言葉です。 2番目はその事実を認識するという勇気。点数が下がってしまったけれど、それを認めたくない、でもそれを認める。3番目はそれを受け入れる。なくなったものは帰ってこない。失ったものは失ってしまった。友達と喧嘩して絶交してしまった。それならそれを受け入れる必要がある。それから4番目はどんなに難しくても解決するぞという、努力をするという勇気。それがどんなに難しいものであってもやってみようという勇気。最後の5番目は自分が生き残って、自分の心に描く、なりたい自分になるのだというそういう決意、決心というか。そういうものを、皆にもって欲しいと思うんです。

 私は諸君ら一人一人に勇気もって欲しいと思うんです。諸君ら一人一人の心の中に、どんなに、元気をなくしていても、どんなに絶望していても、どんなに疲れていても、勇気は必ずある。勇気が無いと思ったら、さっさと水を飲んで寝ればいい。次に日の朝になったら必ず勇気が戻って来ています。勇気があると思った瞬間にどのような感じになるか。車がスタートするみたいになります。心のエンジンがスタートする音を諸君らは感じると思うのです。だから、勇気というものを大切にして欲しいと思います。一年の終わりにあたり、自分の置かれた立場、もう一度見直して、是非自分の中に眠っている勇気の目をさまして欲しいと思います。




2012年3月17日 須磨学園 学園長 西 和彦