V2卒業生代表 答辞


 日ごとに春の気配を感じるようになってまいりましたこの良き日に、私たちのためにこのような盛大な卒業式を開いていただきましてありがとうございます。また先ほどは理事長先生、学園長先生、在校生の皆さまから温かいお言葉をいただき、胸が熱くなる思いがしております。わたしたちV2学年は今日晴れて須磨学園を卒業いたします。

 思い出せば6年前、満開に咲き誇る桜の下で私たちはそれぞれに希望を抱き、今日と同じこの体育館で須磨学園に入学しました。タイムマネジメント、学校統一パソコンの個人所有や数多くの研修旅行といった独自性あふれる須磨学園ならではの教育プログラムに圧倒されつつも、たくさんのことに刺激され、この学園の生徒であることに誇りと喜びを感じながら、学び、成長した6年間でした。

 浮かれに浮かれて行ったJ1オリエンテーション合宿。ゆるんだ気持ちと甘い考えに先生方から下された一喝は、今でも心にしみております。それから、夏・冬のキャンプ、平和研修、首都・古都研修、そして海外研修。この身で直に自然を感じ、歴史をたどり、世界を知りました。アジア・アメリカ・ヨーロッパ、総合すると私たちは10カ国もの国を訪れました。
 アジア研修では、自身の未熟な英語力が原因で学校交流で苦い経験をし、学ぶ意味を知りました。その後のアメリカ研修では、何度も反省を繰り返しつつ、外国人となんとか会話を成立させることができました。
 また、世界をリードする企業を見学し、その最新技術やスケールの大きさに驚き、感動しました。ヨーロッパ研修では威厳ある建築物に圧倒され、時代の流れと重みを感じました。語りかけてくるような名画に心奪われ、美術鑑賞の楽しみを知りました。ハードスケジュールの中、友と共に自分で見て、感じて、考えたことはその時、その場所で、その年齢で多くの国を訪れたからこそ得られた宝物です。この体験は教養として身につくだけに留まらず、その後の進路決定の原動力として今の私たちを形づくっております。

 また、忙しい行事をものともしない容赦ない授業と考査、活気あふれる部活動。模擬店や体育祭では、驚くべき結束力でクラスの真価を発揮しました。山積みになったプリントやノートは、間違いなくここで生き、努力してきた証。あわただしくも計画的に、そして全力でかけぬけた日々はとても充実していて、かけがえのない私たちの一部です。今日、私たちはこの学園を卒業します。“to be myself”なりたい自分になるための目標やこの学園の名を担うという責任感、期待に応えたいという感情に押しつぶされて苦しんだこともあります。そんな時、根気強い先生方の授業や講座で自信を持てるようになりました。いつもきれいな校舎や季節の花々に気分が一新されました。

 私のために食事や健康の心配をして気づかってくれる家族に心も体も支えられました。そして何より、「お前は出来る」という何気ない友人の言葉に救われました。一緒に笑い、勉強してきた友がいたから、学園生活を楽しめました。
 私たちを支え、応援してくださった先生方、学園関係者の皆様、友人、仲間、家族の皆 に対する感謝の思いは、伝えきることができません。本当にありがとうございました。

 在校生の皆さん。私たちはたくさんの元気をあなたたちから頂きました。ありがとう。伝統を守りながら日々進化をとげていく須磨学園の一員であることを誇りに思い、貴重な学園生活を全力で思いっきり楽しみ、充実させてください。
 卒業を迎える本日は折よくも3月3日、桃の節句です。これは、古代中国で始まった上巳節に由来し、本来皆の幸福を願う季節の節目です。そんな季節の変わり目の風をうけながら、私たちは夢を抱き、心身新たに、前途洋々たる未来に向かってはばたいていきます。
この学園で過ごした日々を忘れずに、私たちは強く生きていくことをここに決意します。

 最後になりましたが、今後の須磨学園のますますのご発展を祈りつつ、答辞のことばとさせていただきます。

     


2012年3月3日 V2卒業生代表 阪本 真理