学園長 式辞



   須磨学園高等学校、ご入学おめでとうございます。 人はそれぞれ、一人ひとり持って、この世に生まれてきた使命があります。 その使命は、一人ひとり違います。医者になる人、 法律家になる人、 研究者になる人、 世界を相手にビジネスをする人、 官僚になる人、 政治家になる人…。

 一人ひとり目指すものは違うはずです。 ひとりとして、ひとと同じ人はいません。 でも、その一人ひとり違う目的・目標を 「専門」という形で社会に役立たせるという、 こういう生き方を是非、考えてほしいと思っています。 だから、君たちの、心にあるきっとある自分の使命を探し出して、 その夢を実現して欲しいのです。

   須磨学園のテーマは 「なりたい自分になる」ということです。 自分の夢を実現するという自己実現であります。  こういう生き方は、どこから始めたらいいのか。 それは、自分は何になりたいという 「今の自分の気持ちを」 「今の自分の希望を」 「今の自分の心を」信じるということからです。 このことばを、良く考えてみてください。 今の心とは、「念」と書きます。 念を信じることが「信念」といいます。 つまり、「信念を持つ」ということは、 自分の今の心を、自分が信じるということです。 自分の今の考えを信じることができれば、できるほど、 その思いは、その希望は 実現に向かって進んでいき、夢は必ず実現します。 これが、高校の3年間の君たちを支える言葉になってほしいと思います。

 「なりたい自分になる」ということを書いてある 学校の文章を正確に読むと 「なりたい自分になる。そして…」 という風に書いてあります。 これは、どういうことかと言いますと 「なりたい自分になる」だけでは、まだ完成ではないということです。諸君らが高校を卒業して、 大学に行って大学を出て社会に出る。 そして、それぞれ個人の夢を実現する。 「なりたい自分になる」ということは、 そういう自分が希望する仕事に就く ということだけではなく、 なりたい自分になった自分と社会との関係を、 どう確立していくかということにあります。 社会に出て、それぞれが学んできた専門を生かした仕事をする。その仕事によって、社会の中で自分がどういう役割を担っていくのかということを考えていくことが必要であるということです。

 高校時代の教育と活動が、その人の性格を形づくると言われています。つまり、高校時代をアメリカで過ごせば、アメリカ人のようになる。イギリスで過ごせばイギリス人のように、ブラジルで過ごせばブラジル人のようになる。

 諸君等は高校時代を須磨学園で過ごすから、この須磨学園の高校時代から受ける影響はとても大きいものであるということを、忘れないでください。

 3年間、終わってみて一番大きく残るもの。 卒業式の時に良かったと思えるもの。 それは友達です。 ですから是非、 高校時代に友達をつくって、 大切にして下さい。 高校時代の友達は、 間違いなく一生を通した友達になります。

 諸君らの これからの3年間の須磨学園における健闘を 心から祈っています。



2011年4月2日 学園長 西和彦