学園長挨拶


 昨日、女子と男子が駅伝の県大会で優勝しました。12月26日には、京都の全国大会に出場します。女子は17回目、男子は2回目です。こんなうれしいことはありません。私のスポーツの好みをこのような席で言うのはどうかと思いますが、あえて言いますと、誰かを相手に戦うのではなくて、自分との戦いをするスポーツが好きです。だから、チームワークと自己との戦いが問われる「駅伝」が大好きです。
 スポーツマンシップとは、宣誓の時に「スポーツマンシップにのっとって正々堂々と戦うことを誓います。」とありますが、考え方によってはルールさえ守れば、何をしてもよくて、ただ相手を叩くというスポーツもあります。だからスポーツマンシップは嫌いだと言うと「そんなに好き嫌いを人の前で言ってはいけません」という声が聞こえてきます。
 スポーツだけではなく色々なことの「勝つ」ということ、この「勝つ」という結果はもちろん大切ですが、それまでの「プロセス」が「結果」と同じように大切ではないかと思います。大学に受験をして合格をする。もちろん大切ですが、合格をするということだけではなくて、受験勉強の連続、これにも合格と同じくらいの意味があると思います。

 話は変わりまして、私が子供の時は、ブラスバンドが好きでした。中学生の時は、レコードを聴くことが好きでした。高校生になって室内楽、トリオとかカルテットとかそういうものが好きになったんです。そして大人になってからオーケストラが大好きになりました。この創立記念を式典で祝うのではなく、音楽会で祝おうというのが私の子供の時からの願いでした。
 オーケストラの成立は、皆さんのお手元のパンフレットにも書かれているように弦楽合奏に管楽器が入っていったことがプロセスだと言われています。オーケストラの魅力は、それぞれの楽器のそれぞれの「個」の特徴を集めて、音楽を完成させてゆくということではないかと思います。

 88周年の今年、90周年に向けてあと2年あります。私は学校として90周年に「須磨学園オーケストラ」を作ってほしいとお願いしています。それから、100周年に向けてそのオーケストラがいつも演奏できるような「講堂とコンサートホール」を作りたいと願っています。
 そして、90周年、100周年を目指して、独自のどこにもない須磨学園を作り上げていきたいと決意しています。そしてその結果は、大学の入学者の数ではなく、諸君らが「なりたい自分」になって、社会で活躍をして、世界に貢献していくことによって実現するのではないかと思います。


2010年11月8日 学園長 西 和彦