理事長 式辞


 おだやかな春の陽ざしにめぐまれ、皆さんの入学を待っていたかのように、校庭の桜が咲き誇っています。

 須磨学園中学校第七期生の入学式を挙行するにあたり、日頃から、本校に温かいお心をお寄せくださっているご来賓のご臨席を賜り、入学を祝福していただきますことは、誠にありがたく、心より厚く感謝申し上げます。

 保護者の皆様、ご子息ご息女のご入学のお慶びを申し上げます。これからの六年間、保護者の皆様のご理解とご協力なくして、私たちの指導は成立致しません。本校教育へのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

 さて、須磨学園中学校に入学される新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。私たちはみなさんの入学を心より歓迎いたします。
 みなさんのほとんどの方は、中学入試に向けて努力を重ねていらしたことと思います。皆さんの努力が報われてよかったですね。
 今までテーブルに座れば温かい食事がでてくる。塾が終わればお父さんやお母さんがお迎えにきてくださっている。いつも、清潔に洗濯した服がたたんでおいてある。当然だと思っていませんか。
 これから宿泊研修旅行にいって、自分のことは自分でしなければならなくなった時に、初めてご家族のありがたさがわかるでしょう。みなさんは、自分で起きて準備をしてこの入学式にいらっしゃいましたか。
 この六年でその居心地のいい環境に浸るだけではなくて、少しずつ自分でできることを増やしていってください。大人になる準備をしなければなりません。

 この中学・高等学校の六年間は、とても重要な大切な時間で、みなさんが大学にいって何を学ぶのか、大人になってどういう仕事をして社会と関わりあいながら生きていくのか、というための「基礎」と「土台」をつくる準備の時期です。
 子どもから大人になる一番大切な時期です。可能な限り、あらゆることに挑戦していきましょう。何もしなくても、何かを一所懸命しても、六年間はみんなに等しく公平に過ぎていきます。
 私が、この入学式でみなさんに申し上げておきたいことは、ただひとつ。 今の皆さんは、どんな者にでも、何者にでもなることができます。 よほど非現実的なこと以外、ほとんどの目標はみなさん達成することができる、と思います。自分自身に限界をおかないかぎり。
 では、必要なものは何でしょうか。それは、みなさんの明確な目標と目標を達成するぞという意志、やる気と努力とそして仲間です。

 何者にでもなることができる場合、皆さんは「どうありたい」ですか?どんな自分になりたいですか?考えて下さい。
 人から与えられた目標ではなく、自分自身で探し求め、見つけた「こうありたい自分」になるためにひたむきな努力を積み重ねていってください。
 その努力を積み重ねてきた人にもたらされる深い喜びを、この先、皆さんに経験していただきたいと願っています。みなさんには、六年後、十年後の自分の姿はまだ見えないと思います。でも、目指す山が高ければ高いほど、頂上には雲がかかって見えません。ある程度登らないと見えてきません。みんなで、これからその山をのぼっていきましょう。

 みなさんは、小学校ではとてもよくできた人たちばかりでした。授業は予習をしなくても楽勝でできたと思います。中学校に入ってからは、小学校の時の授業のようにはいきません。しっかりと準備をして授業に臨んでください。出遅れないように。
 今どれほどよくできる人でもこれから六年間、努力をしないとどうなるか、ただの怠け者にしかなれません。
 くりかえし申し上げます。中学校高等学校の勉強において大切なものは、能力ではなく、みなさんの「やる気」と「日々の積み重ね」です。

 みなさんが「こうありたい自分」になるために、私たちは最大限の支援を惜しみません。
 失敗を恐れず、失敗を嘆かず、失敗にくじけずに明るくみんなで乗り越えていきましょう。みなさん一人ひとりが明るく、まっすぐに成長していらっしゃることを、多くの人達が、私たちが、お父さんお母さん、みんなが期待しています。がんばっていきましょう。
 六年後に、大きく成長した皆さんの姿を保護者の皆様にお見せできるように、私たちもはりきっています。がんばります。
 



2010年4月3日 理事長 西泰子